「潤くんて意外とやきもち焼きだよね」

体力使い果たして枕に突っ伏してると背中にちゅ、ちゅ、とキスが落ちてくる。

「翔くんとの穴子止めた奴が何言ってんだよ」
「あ、それ結局行ったの?」
「来週行く」
「行くのかよ、ふふっ」

智はタプタプのゴムの口を縛りながら目を細めて笑った。
その顔も、好き。

「まだこれだけあるけど今日使いきれる?」
連なったゴムを俺の目の前にプラプラさせて子供みたいにはしゃいでる。
「…無理に決まってんだろ、もう眠ぃよ」
「ねぇそんな気持ちいいの?」
「はっ?」
「この前もだけどさ、すっごいじゃん?すっごい何回も、じゃん?」
そんなこと無邪気に言うなよ。
何コイツ。

「俺が上手いのかなー潤くんが感じやすいのかなー」
目ぇキラキラさせて何言ってんの。
「うるっさい。俺シャワー浴びてくる」
「えぇ〜恥ずかしいの〜?」
ベッドから降りる俺についてきそうになるから。

「そんなに知りたきゃ戻ったら俺がしてやるよ」
俺だって男なんだからな。
俺だって出来るんだからな!
「や、それは大丈夫…かな…?」
「タオル。貸して」

冷たく言い放つと智は逃げるようにドアをすり抜けてタオルと着替えを準備してくれた。

「…あとさ」
「まだ何かあんの?」
怯える智は子犬みたいで可愛い。
その上目遣いも計算じゃないから狡い。

「…まだちゃんと聞いてないんだけど」
「?何を」
「……潤くんの、気持ち」
「アレ?そうだった?」
最初にめっちゃ言ったじゃん。

「相談受けてたときのは無効だからね?」
あ。今日も勘がいい。
俺の考えてることよくわかってるね。

「あー…じゃあ、さ。こうしよ。ゴム新しく買ったときにしよ」
「すっごいゴムに拘るね、ふふふ」
「新しいゴムで、新しい快感に目覚めて、改めて俺の気持ちを聞くってどうよ」
「ちょ、『どうよ』じゃないよ!俺のケツは渡さないからな!」

なんだよ『俺のケツ』て。
数分前あんな甘い時間過ごしてた奴が言うセリフ?
えっちの後にこんなに笑うなんて初めてなんだけど。


やっぱり智は『特別』で。
一緒にいたらきっともっと楽しいことがやってくる。

「…絶対好きって言わせてやるからな」
「そっちこそ絶対ケツは渡してもらうからな」
「……バカじゃないの」
「ははははっ」

笑ったら眠気も吹っ飛んじゃったよ。

だから。


……もう1枚、減らしとく?








☆おしまい☆