「やめた方がいいって」
俺は困っていた。
収録が深夜まで及んで、すっかり楽屋フロアは静かになった。
たぶん、俺らもとっくに帰ったと思われてるに違いない。
「いいじゃない。こういうの、1回やってみたかったんだよ」
「誰か来たらどうするの」
「誰も来ないって。早くしないとほんとに誰か来ちゃうよ」
ソファに座ってた翔くんがジッパーを下ろす。
「早く舐めて」
「翔くん・・・」
不定期にやってくる翔くんの不安定な扱い。
それであなたが満たされるなら、なんて思ってるけど。
「ねぇペットちゃん」
そのとき、ドアノブががちゃがちゃと音を立てた。
「!!」
「はいっ」
慌てて翔くんは立ち上がり、俺は鍵を開けた。
―――そこにいたのは雅紀だった。
「どしたの相葉ちゃん?帰ったんじゃないの?」
何事もなかったかのように翔くんはコートを羽織りながらそう言った。
「携帯の充電器がなくて・・・楽屋かなって」
「そっか。じゃ、俺帰るわ。お疲れ」
するりと俺と雅紀の横を通り抜けて翔くんは行ってしまった。
楽屋に残された俺は空虚感に襲われた。
「潤くん」
見ると、雅紀の顔がこわばってる。
「潤くん・・・何・・・してたの・・・?」
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