「なんでこの前・・・途中でやめたの?」




そんなの答えられるわけがない。




なぜ?




なぜ聞けない?




だって、怖いから。




本当のことを聞くのが怖いから。




本当のこと?




智は俺を好きって言っているのに?








『聞イテミロ。・・・キットコウ答エテクレマスヨ』




声が聞こえる。




☆嵐妄想小説☆(BL注意!!)



知ってたの?本当は俺がニノを好きだってこと






「潤くん!!」


智の声がして、俺は飛び起きた。




「・・・夢・・・」


「大丈夫?すごくうなされてたよ。汗もすごい」


「あ・・・」




朝の4時。まだ部屋は暗い。


ここは俺んちの・・・ベッド。


心配そうに智が顔を覗き込む。






あの初めての夜以来、何度もお互いの家に泊まってるけどしてはいない。




智の質問にも、「あの日はただ智といられるだけで満足しちゃった」とかなんとか言ってごまかしたんだ。




どうしてだろう。


智とすればするほど、逆にニノの存在が大きく影を落とす気がしてできない。




『ソンナコトデアノ人ヲ手ニ入レタト思ッテルンデスカ?』


そう、声が聞こえる気がして。




「大丈夫・・・夢見ただけ」


俺は智を抱きしめた。


「どんな夢?」


智が背中をさすってくれる。




目を閉じると、智をいっそう感じることができる。




「・・・なんか・・・超ゾンビに追いかけられた」


「ははっなにそれ。ゾンビドラマ観すぎだよ」




智のにおい。温度。声。


頼むから、俺から離れていかないで。






━─━─━─━─━─




「あれ」


智、携帯忘れてる。


昨日翔くんと飲んだらしく酔ってうちに来たから・・・。


今日の智のスケジュール・・・ニノと、二人きりのCM撮影だ。




俺は携帯を掴むと、現場に向かった。






スタジオを覗くと、まだ準備中のスタッフでいっぱいだった。


こっそりスタッフの人に楽屋を聞く。


楽屋に向かうとメイクさんらしき人が声をかけてきた。




「あの・・・今入らない方がいいと思いますよ。私出て行くように言われたので」




心臓が、大きく鳴った。




全身の血が引いて、目の前が暗くなった。


「あ、あの?」


「・・・や、ありがとう」




メイクさんは会釈すると喫煙室に入っていった。




・・・どうすればいい?


二人で何を話しているんだ?


どっちが二人になりたいと思ったんだ?




心臓は早鐘のように打って足が震える。




それでもなんとかドアの前に立った。




なにか・・・話しているのが聞こえる。




智の声?




すると突然。




「じゃあなんで潤くんを選んだんだよ!」






頭を殴られたような衝撃だった。




俺は、震える足の向きを変えると階段に向かった。


うまく走れなかったけど、急いでその場から離れた。


智の答えを、聞きたくなかったから。




きっと智はこう言うんだろ?






『違ウヨ。俺ガ本当ニ好キナノハニノナンダ・・・』






☆嵐妄想小説☆(BL注意!!)