「さて。仕事も終わったことだしどーしますかね、大野さん・・・じゃなかった智」
「ふふふ、前はふざけて呼んでたのにね」
「改めて呼ぶと照れるよ」
夢みたいな日がやってきた。
智が俺の恋人になった。
正直智は・・・ニノが好きだと思ってたんだ。
だから告白したとき、断られると思ってた俺はほんとにびっくりした。
びっくりしすぎて正直今も信じてはいない。
毎日すごく幸せで、メールや電話にいちいち喜んで小踊りしてしまうけど
ふとした瞬間にニノがよぎる。
じわり。
不安が俺の心を支配しそうになる。
だけど、不安が現実になるのが怖くてニノのことは聞けないでいる。
いつもニノが俺の心のどこかで囁いている。
『彼ハアナタノコトヲ愛シテハイマセンヨ。
彼ガ本当ニ欲シテイルノハ私ナノデスカラ。』
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「いい?我慢できない」
「早くねぇ!?まだ付き合って数日・・・」
「だってずっと好きだったんだもん。だめ?」
結局俺んちで適当に飲んでつまんで、今そういうことになりそうな感じ。
体を手に入れれば少しはこの不安から逃れられるかな?
「ちょ・・・っと恥ずかしい。俺初めてだし」
「俺だって初めてだよ。ゆっくり・・・してみようよ」
しぶしぶ智はシャワーを浴びに行った。
「ニノ・・・智はもう俺のもんだよ」
つぶやいて、ベッドにつっぷした。
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「・・・っ」
舌を入れると、智の体がびくっと反応した。
「もっと舌・・・出して」
抱き合いながら、頭をなでる。
「潤く・・・」
「好きだよ」
やさしく智を寝かせ、さらにキスを続ける。
もうこれだけで十分なくらいだ。
「・・・智は?」
「え・・・?」
じっと目を見つめる。
智は、ふっと笑うと言った。
「好きだよ、当たり前でしょ」
俺はすごくほっとして、このまま何もしないでただ抱き合っていたいと思った。
けど、やっぱり心の奥底で、あいつが囁くんだ。
『俺ノコトガ、ダヨ・・・』