「…ぅう…ん…。」
よしっ!今が絶好のチャンスだっっ!
「大野さん!大野さん、起きて!」
二宮は、大野の体を揺らした。
「…んんっ…、…何ぃ…?」
眠そうに大野さんが、ムクリと起き上がった。
「ちょ、ちょっとこっちに来て?」
大野さんを、部屋の片隅に呼んだ。
(翔ちゃんに聞こえちゃうといけないから、小声で話すよ?)
(…何ソレ?どうしたの?)
(昨日、翔ちゃんから電話が無かったら
大野さんのところ行ってなかったっていったじゃん?)
(うん、そういや言ってたね。それで?)
(それで、さっき…「智くんは何があったの?」って言われて…)
(だったら…)
「翔ちゃん!俺、なんでもっアガフゴッッ!!」
「なんでもないよ」なんて言わせるかっっ!!
「あっ、大野さんが、
並んで食べたサムゲタンが美味しかったっって!!
ほら、この前翔ちゃん、大野さんに店を教えてたじゃん?」
「あぁ…!
あそこ、並んで食べる価値があるほど美味いよね!!」
「う…うん…っ!」
まぁ、あんなまでに言われたら、
いいえ、なんて言えないだろう。
俺たちはまた片隅で話す。
翔ちゃんは、置いてあった新聞を読んでいる。
ちょっと、翔ちゃんをチラ見してから大野さんの方を見たら…
(ニノはアホかぁっっ!!)
と、翔ちゃんに気づかれない程度の強さで叩かれた。
漫才だったら、ハリセンだな。
(「なんでもない」って言っておけば…)
(いやいや、俺が耐えられないっ!!)
その時――、
「おはよー。」
「ぉはよぉ~!」
…俺たちは顔を見合わせた。
もしかしたら、
ある意味最高で、ある意味…
最悪の状況かもしれない――ッ!!