金曜日、急に寒気がした。体温計は、40度を超えていた。

明日はやっと彼に会える日。ご飯作って、ちょっと早いバレンタイン…そう考えていたのに、インフルエンザと診断された。
薬を待つ間に彼に連絡した。

〈今日の約束キャンセルして下さい。インフルエンザになっちゃった。また、連絡するね。ごめんなさい。〉

薬を飲んで布団に入ると、すぐに眠ってしまった。目が覚めると、部屋の中は真っ暗だった。テーブルの上に置いた携帯が、着信があったことを伝えるように光っていた。

携帯には、たくさんの着信とメール。着信もメールも彼からだった。
すぐに電話をかけ直す。

『大丈夫?』

心配そうな声。

「何度も電話くれたみたいで、ごめんね。それと、今日のキャンセルもごめんなさい。」

『しょうがないよ。ゆっくり休めよ。5日間だっけ?接触禁止は…』

「うん。また、連絡するね。」

熱が下がると、寝ていられなくて片付けをして過ごした。

やっと監禁生活も終わり、仕事に戻る。休んでいた分、仕事も山積み。
残業が終わり家に帰ると、部屋に灯りがついていた。
階段を駆け上がり、鍵を開けるといつもの場所に彼が座っていた。

『おかえり。遅かったね。』

「ただいま、翔ちゃん。」

マスク姿の私。

『そこまでする?もう大丈夫なんだろ?』

私の姿を見て、笑う翔ちゃん。

「念のため…ね。翔ちゃんにうつさないようにね。やっと目が治ったんだから。」

すると、翔ちゃんもマスクをつけて私に近づく。

『これならうつらないから、近づける。』

そう言うと、ギュっと抱きしめられた。

『電話にも出ないし、メールもくれないし…どんだけ我慢したと思ってんの?』

「メールしたり、声聞いたら会いたくなるでしょ?だから、テレビの翔ちゃん見てたよ。」

『もうすぐバレンタインだし、何してもらおうかな~?あっ、チョコ美味しかったよ。』

私を見て、ニヤニヤしてる翔ちゃん。バレンタインの日には、ご馳走用意して待ってるね。

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息子がインフルになり、今日で監禁生活も終わり。でも、明日まで学級閉鎖です。