半額シールの話 | たちゅおのゆるくてためになるなんでもARASHIブログ

面白いことを経験したんで、他に何か書きたいことやらあったような気がしますけど、忘れないうちに一応

 

今日、生まれて初めてスーパーの値引きシール合戦に参戦した。

 

仕事を終え家に帰ると、母親と二人だけだし、食料も腐った食材以外何もなかったので、ご飯を作る気力もなく食料を買うことにした。

 

スーパーの閉店間際の時間だったので、お弁当が安くなってるんだろうな、ということを思いながら、特に食べたいものがあるわけでもなく色々と探してみた。

 

家を出る前に、母親に『何が食べたい』と聞いたら、天津丼やらカツカレーやら、あまり見かけないものをリクエストしやがった。案の定そんなものはなかったので、電話で連絡を取ることにした。

 

ところが、あろうことか母親は電話に全くでない。

 

仕事以外では美容室に行く以外部屋を出ることのない息子が家を出ているのだし、尚且つ天津丼やら売っていなさそうなものばかりリクエストをしたのだから、『天津丼も、カツカレーもないけどどうする?』という電話がかかってくるに決まっているにも関わらず、電話に出る気配がない。

 

仕方がないから、小さなお弁当コーナーをぐるぐるぐるぐる、何週もまわりながら、何を買おうか悩んでいた。

 

閉店間際ということもあって、お弁当が半額で売られているのを見ては『こんなに安くなるのか・・・』などと、呆気に取られながらも八宝菜とお好み焼きをかごにいれた。

 

朝から何も食べていなかったことと、お弁当を2つ買っても500円に満たないということで、二つとも自分で食べる用でかごに入れたのだが、母親へ買っていくものが一向に決まらない。

 

そしてまたお弁当コーナーをぐるぐる回っていると、何やら人だかりができていることに気が付く。

 

どうやら、店員さんが半額のシールを貼っているようだ。

 

自分は、テレビで見たことがあるこの光景を白い目で見る人なのだが、空腹って不思議。気付いたら自分もそこで構えていた。

 

お目当てはお寿司。

 

そして、ここで、半額シール争奪戦に参戦しているライバルを紹介しよう。

 

まず、今日も残業で・・・独身サラリーマン。

そのままだが、仕事帰りでお腹を減らしている様子。

毎日同じ半額弁当を食べているせいか、たまには別の物を食べたいと思っているのか、あまり積極的な様子ではない。

必殺技は『残業』。

 

次、年金暮らしで金がないのよばあさん。

地方のスーパーでよく見かけるタイプのばあさま。

貧しさと、持ち前のおば力(オバヂカラ)で、失うものは何もなく、周囲の目を気にすることなく大胆かつ本能のままに行動をする。

必殺技は『早くシール貼ってちょうだい/ちょっと店員さん、半額シール貼ったらそれちょうだい』。

 

次、上記同様年金暮らしで金がないんだじいさん。

『年金暮らしで金がないのよばあさん』よりは、たくましさに欠ける。

必殺技は『だまって店員さんの近くにポジション取り』。

 

最後、僕はもう死ぬしかないんですたつお。

今日も残業で・・・独身サラリーマンの亜種。

普段、母親の腐った料理しか食べることがない分、今日はスーパーのお弁当だ!と心が躍っているが、この手のことを『醜い』と思っている節もあり、周囲に知り合いがいないか警戒。

必殺技は『すばしっこい』

 

概ね、分けると3人種とたつおとなる。

 

 

店員さんは半額シールを次々と貼って行く。

お寿司と言っても色んなお寿司があるのだが、サーモン大好きたつおのお目当ては『カニ、イクラ、エビ、トロがふんだんに乗った豪華ちらし寿司(498円の半額)』なのだ。

 

そのちらし寿司は、一番端にあり、位置的に店員さんが半額シールを貼るのが最後となる。

 

そして、少し手前の別のお寿司のところで

『年金暮らしで金がないのよばあさま』の必殺技が発動。

周りの『今日も残業で・・・独身サラリーマン』たちを蹴散らし、退散。

 

残ったのは、『年金暮らしで金がないんだじいさん』×2『今日も残業・・・独身サラリーマン』×2、『僕はもう死ぬしかないんですたつお』×1、このメンバーでちらし寿司を争うことが決定した。

 

そして、運命の時。ちらし寿司に半額シールが貼られていく。

残るちらし寿司は3つ。

 

やはり、早かったのは必殺技、『だまって店員さんの近くにポジション取り』を発動させている『年金暮らしで金がないんだじいさん』。真っ先に手を伸ばしてちらし寿司をもぎ取った。

 

そして、二つ目は半額セール争奪戦時には特に関係がないが、すでに今日も今日とて必殺技の『残業』を発動してきた独身サラリーマン。

 

そして、最後の一つ。

勝ち取ったのは『僕はもう死ぬしかないんですたつお』だ。

必殺技の『すばしっこい』の他に、『腹黒い』を発動させた。

 

このちらし寿司、よく見るとパッケージの端に『さびぬき』と書かれたものが二つあった。

わさびのあの『ツン』だけで生きているたつおは、あえて『さびぬき』にシールが貼られた瞬間に飛びついたじいさんとサラリーマンを泳がせたのだ。

おそらく二人は、半額のシールにしか目が行っていなかったと思われる。(家のわさび使えばいーやの可能性も大いにあるが)

 

そして、お弁当3つで650円という素晴らしい戦利品を抱え家に帰り、遅めの夕食をとった。

母親にお好み焼きを渡し、自分は八宝菜を食べ、ちらし寿司はお腹いっぱいで半分残した。人生なんてそんなもん。