225.小学生でも分かる・ウソを見破る経済学 (7) 日銀の罪・予備知識:マネタリーベース | 和敬清寂 ~書かぬが仏~

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テーマ:小学生でもわかる経済学
http://ameblo.jp/arashi-toranosuke/theme-10081578964.html



前回と今回の内容がわかれば、日銀がいかに酷い事をやったか、そして今なお国民を洗脳し続けているマスコミのウソがよくわかります。

具体論は次回に回しますが、今回もその予備知識です。


前回、政策金利の話をしましたが、景気を良くしたり悪くしたりする、もっと強力な方法があります。


安倍首相のアベノミクス第1の矢、黒田日銀総裁の「異次元緩和」の手法です。


それは、日銀が銀行に直接お金を出す事で、そのお金を「マネタリーベース」とか「ベースマネー」と言います。


「お金をジャブジャブ刷る」などと言われますが、今は電子取引なので、数字の打ち込みだけで、いちいち印刷はしません。


日銀だけが一般の銀行にお金を押しつけて、市場に流れるお金を増やす事ができます。

そうすると、金利の上げ下げ以上に、景気を良くしたり悪くしたりできます。


日銀から銀行に押しつけたお金は、そのままだと銀行は利息を取られるので、何とか民間に貸しだそうとします。


日銀がマネタリーベースを前の年よりもどの程度伸ばしたのか、その「伸び率」が重要で、前の年よりもどれだけ増やしたり、減らしたりするかで、景気が良くなったり悪くなったりします。


グラフのオレンジの曲線がマネタリーベースの対前年比の伸び率です。

1972年に大きく伸びていますが、これは田中角栄総理大臣の列島改造の時期です。

お金を増やし続けて日本中で列島改造のための工事が行われて好景気に湧きました。

その時、ちょうどオイルショックが起こって、原油価格が高騰し、「灯油が無いとは、とうゆ事だ!」と、みんなが買い占めに走って、ますます物価が高騰し、狂乱物価と呼ばれる物価高になりました。

消費者物価指数と企業物価指数の比較


↑1973年、赤い線の消費者物価指数が急激に上がっています。これでは一般庶民は物が買えず、不況になるのも無理ありません。


↓その対策として1973~1974年にかけて公定歩合(政策金利)を一気に上げます。

公定歩合を一気に上げる

同時にマネタリーベースの伸び率を一気に減らしたので、物価は安くなっていきました。

マネタリーベースを一気に下げると・・・

物価が一気に下がって狂乱物価が落ち着いた!



バブル前まで、日本は政策金利とマネタリーベースなどの調節によって、ジャパン・アズ・ナンバーワンと呼ばれる経済発展を実現しました。


でもこれは、日銀が全部やったわけではありません。

日銀が間違った政策をやった時は大蔵省(今の財務省)が圧力をかけて正しい政策をやらせました。昔の大蔵省は日本の国を背負う志があったとよく言われます。


ちなみに、次世代の党(日本維新の会から分かれた石原慎太郎側の党)の中山恭子さんと中山成彬氏がともに旧大蔵省出身でどちらも良識的な愛国者です。

中山成彬氏と中山恭子さん:地味ですが良識ある愛国者です


これまでの説明で、お金をジャブジャブ刷る=金融緩和が何の問題もなく、問題が起こっても修正する事が可能な事がわかると思います。

マスコミや民主党、日銀、財務省、金融関係者らが「禁じ手」と言ったのは、とんでもない大ウソでした。

禁じ手」戦後失敗した手法?

毎日、必死にネガティブキャンペーンをやってましたね。

軍事独裁政権じゃあるまいし

民主党はクソですが、報道ステーションも同罪です。

小沢一郎と中国が大好きの森田実氏:反安倍一筋120年 中国スパイでしょう。


彼らにとっての「禁じ手」であって、日本経済にとっては絶対に必要なものだったのです。

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-----ここからは、少し詳しい人向き・飛ばしてもらって結構です

「マネタリーベースを上げてもマネーストック(お金の総量)は増えていないから、金融緩和は効かない」という人がいます。

その根拠が、このグラフ↓

マネタリーベースが効かないという根拠らしきグラフ


これを見ると、マネタリーベース(濃い青)を一生懸命に動かしているのに、マネーストック(グレーと薄いブルー)はあまり変化がありませんね。


ところが、マネーストックは規模がデカいので、変化率だけを見ると、あまり大きな変化がないように見えるだけなのです。↓

マネタリーベースとマネーストックの規模比較

マネーストックはマネタリーベースに比べると桁違いに規模が大きい。


規模の大きなものと小さなものを単純比較したって、意味ありませんね。

そこで、規模の大きさを盛り込んで修正したのが下のグラフ↓

規模をならして数値化しなおすと、マネタリーベースの動きによって、マネーストックが大きく変動していることがわかります。


財務省、日銀は騙しの天才。こういうトリックが多いので、うっかり騙されます。彼らが政治家を騙すのは簡単でしょうね。


次回はいよいよ日銀が日本経済を叩きのめした罪を暴きます。


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