妄想のお話です。
~和也~
次の日、仕事の業務連絡をして、新たな書き込みについて俺が読み上げた後、お互いに報告をしあった。
翔ちゃんからは、佐藤さんがハムスターさんに対して好意を持ったらしい事、ハムスターさんも同じらしい事、佐藤さんが女装した俺が大野さんを好きなのでは?としつこかった事が告げられた。
「4人でグループを作ったけど、大野さんを入れて欲しいと何回も言ってたよ。
気配り出来る人だね。」
うう~ん、それはどうだろ?
「ニノは、ふたりをどう思った?」
大野さんに聞かれて、正直に答えた。
「良い感じだと思うよ。
ただ、ハムスターさんも、今まで恋人がいなかった理由として、運命の相手に会えばわかるはずで、ビビっと来る人に出会えてないとか言ってたんだよね。
運命の相手って、流行ってるの?」
「あひゃひゃ、何それ?
でもさ、この際、そのふたりが運命の相手って事にしちゃえば?」
相葉さんは、笑いながらも、結構、本気で言ってる。
「智くん、帰り道に、お姉さんと何を話したの?」
翔ちゃんは、大野さんの方に近づきながら聞いた。
「俺は、佐藤さんとは仕事で知り合ったけど、優秀で恋人がいないのが不思議だったと伝えてみた。
弟は、結構モテたけど、誰とも付き合わなかったし、子どもの頃に会った女の子がどうのと言い始めたから、自分も親も、それは口実で恋愛対象が男だと疑い始めてる。
だから、無理やり合コンをしたと言っていた。
あなた達もイケメンなのに、本当に彼女がいないのかって言われて困ったよ。
起業して、やっと軌道に乗った所だから、今までそれどころじゃなかったと伝えたら、納得してくれたみたい。」
そっか、親きょうだいからすれば、いい年なのに浮いた話がまったく無いのも、心配になるのかもね。