妄想のお話です。
~潤~
相葉くんとふたりで、隣の部屋にいたんだ。
大野さんの胸ポケットに入ってる盗撮用のペンから様子を伺ってたんだけど、ニノがトイレに行ったから、戻った所で呼んだ。
「やっぱり、化粧が崩れてる。
こっち来て。」
化粧直しをしている間、翔さんは相葉くんに気になる事はあったか確認してる。
「んー、特に無いかなぁ。
あ、ニノ、ずっと大ちゃんを見てたでしょ?」
「だって、俺じゃなくて、大野さんが女装した方が良かったのにさ、すました顔でお姉さんやハムスターさんと話ししててさ、ズルいじゃん。」
いや、ずっと画像を見てたけど、女性陣が来る前から、大野さんを見てたよねぇ。
ちゃんと助けてよ!って顔で。
ふたりが合コンの個室に帰って、話題は子どもの頃の遊びに移ったみたいだ。
大野さんが、近所の草を摘んで食べていたら怒られた話をしたら、ニノが野球チームに入っていたと言いかけて、慌ててお兄ちゃんの応援に行っていたと話した。
女の子でも、少年野球チームに入れるけどね。
「ハムスターさんは?」
「私が住んでいた近所に、大きな公園があって、白い山みたいになってるトランポリンがあって、よく遊んでました。
今考えると、少し跳ねる程度なんですけど、当時はそれが楽しくって、楽しくって。」
あれ?それって、例の公園のトランポリンかな?
まあ、あちこちにあるから、違うか。
「え?それって、もしかして立川ですか?」
佐藤さんが食い付いた。
「あ、ご存じですか?
立川にある昭和記念公園です。」
「そうなんですか?
そのお話、もっと聞きたいです。」
佐藤さん、翔さんが決めた合言葉を言ったけど、彼女に興味を持ったのか、公園に興味を持ったのか、わからないな。
でも、大野さんは、前者だと思ったみたいで、席の交換を提案した。