妄想のお話です。





~智~


ストーカー問題は、これで一応終了だな。


報酬としては、スカーフを譲ってもらった。


報酬は、現金ではなく、いらない外国製の物を安く売ってもらう約束だけど、本当に使ってないから、無償でいいと言われた。


無償だと、販売出来ない。


ハワイ旅行で3枚セットで買った1枚で、服の好みが同じだから是非って言われたら、断れない。


まあ、今回、SNS講座の会社から、紹介の謝礼のギフトカードももらったし、それで会社のコーヒーとか買ったから良いことにした。


相葉ちゃんのコンビニ深夜バイトも終わって、睡眠時間の調整もあって、打ち上げは少し遅くに集まった。


「じゃあ、ニノ、お願い。」


「は~い。


今回、調べる事が多くて大変でしたからね。


無事に解決、ギフトカードゲットおめでとう。


乾杯!」


「「「「乾杯」」」」





皆、酔ってくると、智子のインスタの話題になった。


「ねぇ、翔さん?


智子さんのインスタって、誰がやってるの?」


「あれはねぇ、私櫻井の渾身の作品でぇす。


絶対に特定されないように、最新の注意を払いつつ、素敵な生活をしている智子さん像を作っています。


超有名スポットで、影だけ撮ったり、流行りの映画のチケットを撮ったりしていまっす。」


「あひゃひゃ。凄いよね。


この前のさぁ、友人とランチしました写真、俺と行ったヤツじゃん。


あっ、出演料貰わなくちゃ、料理越しのお腹辺りしか写ってないけど。」


「若い女性なのに自撮り無しって、難しいのよ。


仕方ないから指先だけ解禁してる。


ネイルは貼るタイプでね。」


うん、しっかり翔ちゃんの手が写ってた。


まあ、フェイクにもなるから良いか。