妄想のお話です。





打ち合わせと女装の為に会社に来たら、相葉ちゃんがスマホケースと同じ柄のカバンをくれた。


可愛くて、品質が良くて、頑張れば手が届く値段設定らしく、若い女性に人気があるブランドらしい。


「中古でごめんね。


でも、ほぼ新品だし、嫌みにならないブランドだから、ちょうど良いと思うんだ。」


「嫌み?」


「うん、若いのに凄いの持ってると、嫌われるパターンもあるからね。


20代でデビ夫人みたいなの持ってたら、近付きたくないと思わない?」


あー、たしかにそうかもね。


「俺、姉ちゃんに相談して、智子ちゃん用の財布を買ってきたよ。


大野さんの財布、女子は使わないからさ。」


松潤は、財布をくれた。


「姉ちゃん、好きな子がいるのか?って、煩かったよ。」


「女子の財布、結構、厚みあるんだね。」


俺は、現金やカードをピンクの花柄の財布に移した。





用意されていた服は、ふんわりしたワンピースとカーディガンで、不思議だった。


カツラも、ゆる~くカールしてるタイプだし。


「ねぇ、こんなふわふわな格好でいいの?


なんか、こう、ストーカーなんて寄せ付けません!みたいな、キリリとした感じが良くない?」


俺は、そう思ったんだけど、翔ちゃんと松潤は、まだ話を聞くのが大切だから、話を聞いてくれる雰囲気を出さないといけないと力説してきた。


ニノは何も言わない。


相葉ちゃんは、似合ってるから大丈夫だと言いながら、俺の周りをぐるぐるしてる。


靴のヒールは低めだから、まあ、良しとするか。


ハイヒールは、マジでツラいからなぁ。


今回は、ふわふわおっとり頑張りますか。