妄想のお話です。
その後、潤くんがちゃんと説明してくれて、相葉さんが録画した動画で、理解してもらえた。
USBメモリーは、やはりスタンドライトの土台に隠してあって、警察に押収された。
俺と大野さんだけ、少し事情聴取されたけど、お昼過ぎには解放された。
一応、犯人逮捕に協力したって事で、大野さんが乗ってきたらしい自転車と共に、覆面パトカーでカフェまで送ってもらえた。
でも、体は痛いし、お腹は空いたし、偉い目にあった。
カフェに着くと、可愛い翔子ちゃんが噂のおばあちゃんとすっかり仲良くなっていたのは、驚いた。
「お疲れ様でした。無事で良かったわ。」
翔子ちゃん、可愛いけど、智子さんと違うのは、声がアレなんだよなぁ。
「ここでやり取りを聞いていたわよ。
大変だったわねぇ。
お腹空いてるでしょ?」
おばあちゃんはメニューを見せてくれて、メニューになくても、材料がある料理なら、何でも作ってあげると言ってくれた。
「じゃあ、ハンバーグはお願い出来ますか?」
「任せて。」
おばあちゃんとお孫さんがキッチンに入ると、相葉さんが呑気に教えてくれた。
「そう言えば、SNSを見てて、変なのがあったんだよねぇ。
なんか、お宝情報をゲットしたけど、税務署にチクるのと、週刊誌に売るのと、直接脅すのと、どれが正解?なんて書いててさ、え?と思って他の投稿を見てたら消えててさ。」
え、それ、今回の?
「ねぇ、それより、例の件は?
神社は違ったんでしょ?」
小声で聞いてみると、翔子ちゃんが微笑んだ。
「わかったけど、後でね。」
ウインク、可愛いんだけど、翔ちゃんなんだよね。