妄想のお話です。





相葉くんは、いい加減な事を言ってるだけだと思っていたら、おみくじ売り場の巫女さんとお喋りし始めました。


「さっきのおばあちゃん、ハッピーカフェの幸子おばあちゃんでしょ?


毎日来てるの?元気だね。」


「ほぼ毎日いらしてますよ。


そうですね、半年前からかしら?


健康の為に、ウォーキングしながら、お参りしてくださってます。」


え?半年前から?


この神社、関係なかったかも知れません。


「あ、おみくじ、ください。」


「100円です。どうぞ。」


相葉くんは、おみくじを開いて読み上げます。


「中吉、仕事うまくいく、健康楽しく運動、恋愛まだ先、探し物わかる、宝物危ない」


中吉はいいけど、宝物が危ないって、どういう意味だろうか?


取られてしまうって事でしょうか?


「あ、これ、結んでくんだよね?」


「あちらに、おみくじかけがありますので、どうぞ。」


「ありがとう。翔子ちゃん、行こうか。」





ふたりでカフェに行くと、ちょうど開店するところでした。


4人で席に案内してもらい、美味しいコーヒーをいただきました。


「あ、ニノからグループにLINE入ったよ。」


《やっと見つけたよ 探したよ~


俺の地図アプリ、古くて違い過ぎで迷ってた》


ニノは、今日はどんな建物か確認してもらうだけの予定です。


〈お疲れ様 俺らもカフェに来てるよ ニノもおいで〉


《いや、まいったよ 建物、取り壊すみたいで、工事の壁!》


続けて、写真が送られてきます。


連休明けから、今ある建物を取り壊して、新しく建て直すようです。


ここも除外だと考えていたら、急に通話になり、ニノと誰かの声が聞こえてきました。


『何ですか!あなた達!』


『うるさい!こっち来い!』


『お前、・・・だろ、あ、スマホ寄越せ!』


そこで通話は切れてしまい、私は、智くんの顔を見ました。