妄想のお話です。





私、櫻井は、高校を卒業して、大学の経済学部に進学しました。


そして、商社に就職、海外からの輸入に関わる仕事をしましたが、個人で挑戦してみたくなったのです。


同時に、ある事件から、困っている人の手助けをしたいと思い始めたました。


ある日、智くんと居酒屋で飲みながら、相談してみました。


「あのさ、やってみたい仕事があるんだ。


でも、上手くいくかわからないし、今の生活を続ける方が楽だと思う。」


「ん?でもさ、やってみたいんだろ?


やってみてダメだったら、そん時に考えりゃいいんじゃないか?」


智くんは、俺の背中を押してくれました。


それからは、仕事をしながら、起業に必要な勉強をする毎日でした。


まずは、資本金も必要だし、場所も必要です。


実は、私の実家は裕福な方で、出資をしてもらえるし、自分の貯金もある程度ありました。


それに、親戚が所有していたビルの権利を安く譲ってもらえる事になり、テナント収入の目処が立ったので、思い切って会社を設立しました。


アンティークの売買の為に、古物商の許可も取りました。


ちなみに、社長は智くんです。


はじめは、ガランとしたフロアに机を2つ並べただけで、ともかく赤字を出さない事だけ考えました。


しばらくすると、お客が来た時にみすぼらしいのは良くないと智くんが言って、パーティションと来客用のソファー、テーブルを揃えました。


なんとか会社らしくなってきた頃、友達から相談を受けて、探偵のような事をやれました。


ただ、探偵として収入があると、ややこしくなると感じたのです。


「じゃあさ、訪問した時に、外国製の食器があったじゃん。


あれを安く譲ってもらって、他に売れば会社のまっとうな利益になるんじゃね?


お前の友人は、あまり興味無いって言ってたけど、結構、物は良かったよね?」


智くんの言葉で、探偵業は正式な登録はせず、報酬は何かを安く譲ってもらう事に決定しました。