毎年この時期になると、新年が明けてコンサートなんかも終わって、やっとメンバー皆んなが一息つける頃。
俺は来月にある冬季オリンピックの準備が始まっていて、今日が何の日かも覚えてなかった。

1月25日。
日付けが変わってからも、打ち合わせが入ってて。
ズボンのポケットに入れてた携帯が振動しだした。
何度も鳴ってるけど、打ち合わせ中だから出られない。

「じゃあ、今日はここまでにしますか。日付け変わってしまいましたね、すみませんでした。よい1日になりますように。」
スタッフが打ち合わせの終わりと、そんな言葉を口にしても、
「え?」
と返しただけで。
「あ、はい。お疲れさまでした。」
俺は頭を下げて会議室を出た。
楽屋に向かいながら、スマホを取り出す。
LINEだのメールだの、すごい件数。

メンバーに何かあったのか!?

雅紀に何か?

真っ先に開いたグループLINE。

─おめでとー、翔ちゃん。ワンワン年♪
─早く相葉さんとこ帰ってあげてね?おめでとうございます。
─翔さん、お誕生日おめでとう!ロケ中のため、取り急ぎ!

「……ああ!!」
歩きながら、俺は小さく叫んだ。
そっか、俺今日、誕生日だった!
そして思い出す。

─翔ちゃん、25日は待ってるね?

先日、付き合いだしてだいぶ経つのに、相変わらず恥ずかしそうな顔で雅紀がそう言ってきたことを。

「やっべ、早く帰んなきゃ。」
それからマッハの速さで着替えて、マネージャーが回してきた車に乗り込んだ。
グループLINEに、雅紀のメッセージはなかった。
ポチポチと、他のメールや電話履歴を見ていたら、1回だけ。
雅紀からの着信があった。
なんでこう、俺はいつもタイミング逃すわけ?
そんな役回りか?(笑)

…いや、笑ってる場合じゃなくて。
「櫻井さん、着きました。今日もお疲れさまでした。」
マンションのエントランスに、じゃあまた明日!って叫びながら入っていく。
ロック解除して、すぐにエレベーターに乗って、雅紀の笑顔を想像した。
部屋に着いて、玄関のドアを開けた。

「ただいま!いるんだろ雅紀!!」
ドアに鍵をかけながら、靴脱ぎながら叫ぶ。
「あー♪翔ちゃんおかえり!おめでとう!」
すぐにひょこっとキッチンから顔を出した雅紀に、俺は飛びついた。
「ありがとう!俺、さっきまで今日のこと忘れててさ。お前の着信にも気づかなくて、ホントゴメン!!」
「んーん。大丈夫だよそんなの。お鍋作ったの、食べる?ケーキが先?」
キッチンのテーブルには、ワンホールのケーキ。
苺が並んでて、真ん中に、

翔ちゃんお誕生日おめでとう♡

って書いてある。
周りを囲む苺が、何故か2箇所だけ開いてて。
「あは。あんまり美味しそうで、つまみ食いしちゃった!許して?」
雅紀が両手を合わせて俺に首を傾げてきた。
「俺としたことが…。雅紀のしつけがなってなかったんだな。」
上着を脱ぎながら、片手でぐいっと雅紀の首を抱き寄せる。
「うわ、翔ちゃんつめたあい!早く手洗いうがいして、あったかいの食べよ?」
そう言って、俺の開いてた片手の平の上に、雅紀が拳を乗せた。
「おんなじわんこ年〜♪いいことたくさんあるといいね。わん♡」
「…仕方ないな、つまみ食いは許してやるから、食べた後は覚悟しろよ?」
「な…。」
俺の言葉に顔を真っ赤にした雅紀は、ケーキの上の苺よりも赤くて色っぽかった。

「さあて、手洗いうがい、ご飯だな〜♪」

ご機嫌な俺は、今日はどうやって雅紀を啼かせようか考えていた。
雅紀。
いつも本当に俺のこと気にかけてくれて、ありがとな。
今日から、まだまだ、もっともっと、仲良くしような。








おしまい。


櫻井翔さん☆
36歳のお誕生日、おめでとうございますヽ(*´∀`)ノ






いつも堂々としていて、たまにヘタレな可愛い部分もある、嵐のお母さん☆。.:*・゜
誰1人欠けてはいけない嵐を、真ん中で支えてるのは翔さんなんじゃないかな?っていつも思っています。
史緒の書く櫻葉さんは、そんなイメージとは違うけれど、ラブラブなときは、ラブラブしてほしいから💙💚💛💜❤

本当に久しぶりに櫻葉さんのお話書きました(//∇//)
読んでいただけたら嬉しいです(*´˘`*)♡

素敵なお誕生日になりますように
☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆



2018・1・25
史緒・拝