『名探偵じゃなくても』

小西マサテル 著

(宝島社・2023年12月・図書館)

 

 

クリスマス直前、居酒屋で”サンタクロース消失事件”について

議論していた楓たちは、

紳士然とした男性・我妻(あがつま)に声をかけられた。

彼はかつて小学校の校長を務めていた楓の祖父の教え子なのだという__。

”連続自殺未遂事件”や”泣いている死体”など、

楓や我妻が持ち込む不可解な謎を、

レビー小体型認知症の祖父が名探偵のごとく解決する。

しかし、その症状は一進一退を繰り返しており・・・・。

 

 

『名探偵のままでいて』の続編、続けて読むことができました。

 

認知症を患っているお祖父ちゃんが安楽椅子探偵となり

持ち込まれた事件を解決する、というのは同じですが、

お祖父ちゃんの症状が前より悪いことが多いようで心配です。

それでも調子がいいときは、スパッと名推理を聞かせてくれます。

 

今回は、居酒屋で知り合った我妻とその後輩・城之内が新キャラ。

楓の同僚・岩田とその後輩・四季が前回から引き続き登場です。

この岩田と四季は、ともに楓に想いを寄せており、楓もどちらかのことが

好きなようですが、今はまだ3人でいることが楽しいようです。

 

さて、今回も前回同様、お祖父ちゃんの名推理で楽しませていただきましたが、

ヒッチコックの映画のストーリーがヒントになっている一編があり、

わたし映画のことまったくわからなくて、

置いてけぼりをされたような気がしたのはちょっと残念でした。

 

でも、その後の前回に引き続いてのストーカー事件と、

密室からの消失トリック、そして、すずちゃんの話はよかったです。

 

この作品は前作からの続きになりますので、

読む順番を間違えるとダメなやつですね。

前作から続けて記憶がしっかり残っているうちに読めて、より楽しめました。