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古(いにしえ)の
恋人たちは

三十一文字で
想いを交わしあった

あなたは
気持ちを言葉では伝えない

メールも電話も
苦手

くちづけさえしない

あなたが歌う歌詞を映す
ディスプレイに浮かぶ言葉が
声とメロディーに乗って
届く時に
溢れる想いが心に沁みてくる。

言葉にしない気持ち

これが
あなたのスタイル

あなたの気持ちに応える歌を私も歌う

不安な気持ちには
ごめんなさいの歌

愛してる歌には
愛してるの歌

好きだよの言葉の代わりの歌声

好きよと言う言葉の代わりの歌声


歌ったことのない歌を必ず
あなたは用意してる

私もあなたに
聞いて欲しい歌を用意する

…リクエスト禁止

笑いながら言うのは
種明かししないため


逢えない時間に
2人はいつも
次の楽しみを探している。


同じ時代に生まれた幸せは

同じ歌を歌えること

あなたが歌う歌に
歌で応える

ぬくもりが伝わる距離にいるけど
絡み合わない腕

見つめ合う代わりに
同じディスプレイを見つめる

80年代の少年と少女の相聞歌

大人の恋に
戸惑い続ける歳月

このまま
このまま穏やかに
2人の時間を
重ねたい

言葉にしない
同じ気持ち

同じ時代の歌が伝えてくれる
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あなたが
新しい携帯に変えていた。

ストラップ

私があげた
エレキギターのストラップ

それだけで
胸がときめいて
心が暖かい


携帯を変えたことも
何も言わないけど

いつも
一緒にいるって
思えることがうれしい。
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朝に届いた
一通のメール。

『今日は千晴の誕生日やで♪
一緒に祝おうな。』
たけし君からだ。

毎年
誕生日と命日には
一緒にグラスを捧げてきた。

今年はあいにく
お互いの仕事があり飲めない。

夜に
たけし君から電話が入る。

職場の仲間と
千晴さんの誕生日のお祝いの杯を交わしているという。

酔った友達も電話に出る。

『不幸な出来事だけど
こうして何年も思いあえる親友がいるって羨ましいです。』

褒められると
やっぱりうれしい。

私より二歳年上のはずなのに
私の方がずっと年上になってしまった。

千晴さんが愛した
ひまわりの花

私が千晴さんのひまわりだと
照れながら伝えてくれた。

『千晴…お誕生日おめでとう。乾杯』

電話のむこうのたけし君の
声に合わせて

千晴さんの大好きだったビールのグラスを掲げる。

今年のアリスのライブには
千晴さんは
ずっと一緒にいる。

ね!そうだよね!