米の外交政策の変化〜米中協調から同盟強化へ | あらやす日(本)誌

米の外交政策の変化〜米中協調から同盟強化へ

来日した米・オバマ大統領は会見で、
「尖閣は日米安保の適用対象」だと明言した。

また、
オバマ大統領は来日前に一部メディアとのインタビューにおいて、
「日本の防衛力強化や日米の防衛協力拡大に向けた安倍晋三首相の努力を称賛する」
と述べて集団的自衛権行使容認の検討を含む安倍政権の安全保障面の取り組みを支持している。

こうした発言を導いた背景には、
アメリカの国内的な問題が大きかったのではないだろうか。

この発言は、
TPP交渉で日本が譲歩することの交換条件で出てきたものではない。
その証拠に甘利担当相はTPP交渉で一歩も譲歩しなかった。

【追伸】
交渉最終日に日米はTPPの基本合意(特に肉類等の農産物)に達したという見解がアメリカ側から出たようだが…日本側の見解ではそこまで言い得るかどうか微妙なところのようだ。


今年行われるアメリカの中間選挙のための強気の発言だったように思える。

今年2014年11月4日、
アメリカで上下院の中間選挙がある。
これは日本の総選挙に当たるものだ。

この中間選挙でオバマ政権を支える民主党は大敗し、
上下院ともに野党の共和党が過半数を握る可能性がある。

野党共和党が過半数を占めている下院では全議席が選挙になり、
上院ではオバマ政権を支える民主党が過半数を占めているがその半数が選挙となる。

今回、上院で選挙となる選挙区は共和党に有利な選挙区が多く、
上下院で野党の共和党が過半数を占める可能性が出ている。

さて、
この中間選挙を乗り越えるためにはそどうするか?

そのための一つの得点稼ぎが外交問題だ。

中間選挙においてライバルの共和党は、
民主党の弱腰外交を非難する可能性があり、
この非難の芽を少しでも刈り取っておく必要がある。

ロシアのウクライナ問題において、
弱腰な米外交を露呈したが、
ウクライナ周辺にはアメリカの同盟国はない。

しかし、
ロシアの真似をアジアでしかねない中国の周囲には、
同盟国の日本やフィリピン、韓国、同盟国イギリスの同盟国であるシンガポール、
シンガポールはマレーシアと密接な関係がある。
また、韓国や準同盟国の台湾への中国の圧力も大きくなってきている。

また、
イギリスの同盟国オーストラリアで保守政権が生まれて、
前政権の親中政策の誤りを是正する動きもある。

こうした英米の同盟国が多い東アジアの情勢は、
ウクライナとは事情が大きく異る。

オバマ大統領の今回のアジア歴訪は、
アジア同盟国重視の姿勢を打ち出して得点稼ぎをしたかった可能性が高い。

同盟重視の結果として、
中国に圧力をかけることになったのであり、
中国への圧力が第一義の目的ではないのだろう。

アジア重視政策は結果論的に対中外交戦略の見直しになり、
西欧の金融資本が行う対中国投資にも変化が出てくるだろう。

中国を強くし過ぎることはアジアだけでなく、
多くの地域でマイマスになること、
地球の成長センターだと言われるアジア地域にあって、
中国の覇権が健全なアジアの成長を阻害することが明白になってゆくだろう。

となると、
中国は国内外共に厳しい状況に置かれ、
苦し紛れになるをしでかすやら…

アメリカは今回の中間選挙において、
完全なねじれ(上下院の議会を野党・共和党がにぎること)に陥ると、
アメリカの力は外交的にも経済的にも停滞する可能性が高く、
非常に危険な事態を世界規模で招く可能性もあり、
2015年は要注意の年になるかもしれない。

すでに日本は英米同盟を基軸にしてASEAN諸国と共に、
軍事大国・中国の覇権主義に対抗する中心国になっている。

日本は中国との決定的な対立を回避しながら、
中国の動向を注意深く見守ってゆく必要がある。