映画『カティンの森』を見る~ヒトラーとスターリンの犯罪
映画『カティンの森』(2007年)は、
旧・ソ連によって公的に隠蔽され続けた虐殺事件を描いている。
監督はポーランドの巨匠アンジェイ・ワイダ(80歳)。この虐殺の真相を20代に知ったワイダは映画化の構想をあたためていたという。

1939年9月、ポーランドは地図から忽然と消えた。
ドイツのヒトラーと旧・ソ連のスターリンによって、ドイツとソ連の2国に侵略されて分割統治されてしまう。
【蛇足】
まさしく歴史は繰り返すの言葉通り、18世紀にポーランドは、プロイセン(今のドイツ)・オーストリア・ロシアの3国に分割され、国が消えた歴史がある。ロシア・中国・北朝鮮という恐ろしい国に囲まれている日本にいるとポーランドに親近感がわいてくる。
1940年、ポーランド東部を占領したソ連が捕虜にしたポーランド軍将校約1万2千人が行方不明になる。1943年、ソ連領に攻め入ったドイツはカティンで数千人の軍人の遺体を発見する。ドイツはソ連軍の犯罪だとしたが、ソ連は逆にドイツ軍による戦争犯罪だと宣伝した。
公的には真実は藪の中、闇の中に入った。
しかし、
少なからぬポーランド国民はその真実を知っていたようだ。
映画では、ソ連側だけでなくドイツ側の犯罪も出てくる。カティンで処刑されたアンジェイ大尉(ワイダ監督の父親をイメージ)の父親であるクラクフ大学教授は、他の大学関係者と共にナチス親衛隊によって拉致され収容所に入れられてしまう。家族ももとに殺された教授の骨壷だけが小包郵送で戻ってくるシーンがある。
映画では、ユネスコ世界遺産の指定されているポーランドの古都クラクフの美しい町並みが出てくる。クラクフの旧市街には中世からの街並みがそのまま残っており、ヨーロッパに残るもっとも大きな広場もある。また悪名高きアウシュビッツ収容所まではクラクフから車で1時間半くいらいの距離だ。

↑原題は「カティンの虐殺」
映画の最後で10分以上続く処刑のシーンは悲惨だ。ソ連の兵士によって機械的、事務的にこなされてゆく処刑を淡々と描写している。人間を人間と思わない卑劣な無機質なその行為は、同時期に起きたナチスのユダヤ人の虐殺も連想させる。
ソ連の衛星国となっていたポーランドでは、ソ連の圧力で「カティンの森」の虐殺は1990年まで半世紀にわたって隠蔽され続けた。
1989年、ベルリンの壁が崩れ東西冷戦が終わったとされる年、映画「鉄の男」のモデルになったレフ・ワレサ率いる「連帯」がポーランドの上下院選挙で圧勝した年(アンジェイ・ワイダは「連帯」の協力者だった)、ポーランドの雑誌がカティンの虐殺はソ連軍によるものだとする証拠を掲載する。
そして、
ついにロシアのエリツィン大統領は、
スターリンが直接署名した命令書によりカティンの虐殺が行われたとその真相を暴露した(謝罪は??)。
70年後にカティンの悲劇再来か?(私見)
【蛇足】
2010年4月10日、70年前に起きたソ連軍によるポーランド軍人の大量虐殺事件「カティンの森事件」追悼式典に出席するために現地に向かっていたポーランドのレフ・カチンスキ(Lech Kaczynski)大統領夫妻を乗せた航空機が墜落した。
旅客機はロシア西部スモレンスク(Smolensk)で墜落し、乗員乗客96人全員が死亡。同機には大統領夫妻のほか、陸軍参謀長、Andrzej Kremer外務次官、ポーランド中央銀行の総裁、国会議員らが搭乗していた。
ロシア緊急事態省は、墜落したロシア製旅客機ツポレフ(Tupolev)154には、ポーランドの公式訪問団88人を含む96人が乗っていたと発表した。これまで、搭乗人数についての情報は錯綜していた。
スモレンスク州知事のSergei Antufiev氏によると、スモレンスク郊外の空港に向けて着陸準備に入ったところで、木の頂上部と接触して墜落し、機体はバラバラになったという。(AFPより抜粋)
墜落の原因は悪天候の中、無理して着陸しようとしたため起きたというが…歴史は繰り返す…ではないが、
これもロシアの仕業ではないかとふと思ってしまうところが恐ろしい。
真実がここに眠っていないことを祈るばかり。
旧・ソ連によって公的に隠蔽され続けた虐殺事件を描いている。
監督はポーランドの巨匠アンジェイ・ワイダ(80歳)。この虐殺の真相を20代に知ったワイダは映画化の構想をあたためていたという。

1939年9月、ポーランドは地図から忽然と消えた。
ドイツのヒトラーと旧・ソ連のスターリンによって、ドイツとソ連の2国に侵略されて分割統治されてしまう。
【蛇足】
まさしく歴史は繰り返すの言葉通り、18世紀にポーランドは、プロイセン(今のドイツ)・オーストリア・ロシアの3国に分割され、国が消えた歴史がある。ロシア・中国・北朝鮮という恐ろしい国に囲まれている日本にいるとポーランドに親近感がわいてくる。
1940年、ポーランド東部を占領したソ連が捕虜にしたポーランド軍将校約1万2千人が行方不明になる。1943年、ソ連領に攻め入ったドイツはカティンで数千人の軍人の遺体を発見する。ドイツはソ連軍の犯罪だとしたが、ソ連は逆にドイツ軍による戦争犯罪だと宣伝した。
公的には真実は藪の中、闇の中に入った。
しかし、
少なからぬポーランド国民はその真実を知っていたようだ。
映画では、ソ連側だけでなくドイツ側の犯罪も出てくる。カティンで処刑されたアンジェイ大尉(ワイダ監督の父親をイメージ)の父親であるクラクフ大学教授は、他の大学関係者と共にナチス親衛隊によって拉致され収容所に入れられてしまう。家族ももとに殺された教授の骨壷だけが小包郵送で戻ってくるシーンがある。
映画では、ユネスコ世界遺産の指定されているポーランドの古都クラクフの美しい町並みが出てくる。クラクフの旧市街には中世からの街並みがそのまま残っており、ヨーロッパに残るもっとも大きな広場もある。また悪名高きアウシュビッツ収容所まではクラクフから車で1時間半くいらいの距離だ。

↑原題は「カティンの虐殺」
映画の最後で10分以上続く処刑のシーンは悲惨だ。ソ連の兵士によって機械的、事務的にこなされてゆく処刑を淡々と描写している。人間を人間と思わない卑劣な無機質なその行為は、同時期に起きたナチスのユダヤ人の虐殺も連想させる。
ソ連の衛星国となっていたポーランドでは、ソ連の圧力で「カティンの森」の虐殺は1990年まで半世紀にわたって隠蔽され続けた。
1989年、ベルリンの壁が崩れ東西冷戦が終わったとされる年、映画「鉄の男」のモデルになったレフ・ワレサ率いる「連帯」がポーランドの上下院選挙で圧勝した年(アンジェイ・ワイダは「連帯」の協力者だった)、ポーランドの雑誌がカティンの虐殺はソ連軍によるものだとする証拠を掲載する。
そして、
ついにロシアのエリツィン大統領は、
スターリンが直接署名した命令書によりカティンの虐殺が行われたとその真相を暴露した(謝罪は??)。
70年後にカティンの悲劇再来か?(私見)
【蛇足】
2010年4月10日、70年前に起きたソ連軍によるポーランド軍人の大量虐殺事件「カティンの森事件」追悼式典に出席するために現地に向かっていたポーランドのレフ・カチンスキ(Lech Kaczynski)大統領夫妻を乗せた航空機が墜落した。
旅客機はロシア西部スモレンスク(Smolensk)で墜落し、乗員乗客96人全員が死亡。同機には大統領夫妻のほか、陸軍参謀長、Andrzej Kremer外務次官、ポーランド中央銀行の総裁、国会議員らが搭乗していた。
ロシア緊急事態省は、墜落したロシア製旅客機ツポレフ(Tupolev)154には、ポーランドの公式訪問団88人を含む96人が乗っていたと発表した。これまで、搭乗人数についての情報は錯綜していた。
スモレンスク州知事のSergei Antufiev氏によると、スモレンスク郊外の空港に向けて着陸準備に入ったところで、木の頂上部と接触して墜落し、機体はバラバラになったという。(AFPより抜粋)
墜落の原因は悪天候の中、無理して着陸しようとしたため起きたというが…歴史は繰り返す…ではないが、
これもロシアの仕業ではないかとふと思ってしまうところが恐ろしい。
真実がここに眠っていないことを祈るばかり。
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