私は、人生において物凄く忘れられないインパクトを残した

人物が二人いる。



一人は、高校生の同級生の尚ちゃんだ。

彼との出会いは、高校受験の日だった。

彼は、私たちが寒々としながらバスを待っている時に、コートも着ずに

学ランに赤いマフラーだけをして物凄い勢いで走り抜けていった

友人が、「今、宇宙人みたいな人がいた」という叫びと共に彼を見た。

それが出会いだった。

そして、見事高校に合格し、(*^o^*)ドキドキ(*^。^*)バクバクしながら

学校へ行ったら、たまたま受験のときに知り合った女の子が私とその子が

同じクラスであることと、なんとその宇宙人も同じクラスにいるという事を

早口で告げた。私は、物凄いスピードで教室に行くと、田中星児ばりの髪型を

した宇宙人の彼が座っていた。



彼は、本当に面白い人物であった。

ある英語の時間に、彼は訳すように求められ、「トムは死んだ」と答えた。

だが、トムは死んでなどいない先生が、トムは死んでないと

伝えると、彼は犬のように「うぅぅ~~~」と唸った挙句に何を言うかと

思えば、「トムは死に掛けた」と今度は答えた。

たかだか高校1年の英語で死に掛けるなどの英単語など習うとは思えないのだが

彼の中では死んでない以上は死に掛けてるのしか浮かばなかったのだろう。



国語の時間も凄かった。

ちょうど、その頃は耳なし芳一の授業で、よくあるパターンの

段落ごとに順番に当てられると言う事で、尚ちゃんは当てられた。

そしたら、尚ちゃんは劇団一人ばりに、ナレーションと、芳一など全ての役柄を声色を

変えていきなり読み出した。



調子に乗った、尚ちゃんは先生がもういいと言っているのにも関わらず

未だ劇団一人でしつこく読み続けた。クラス中は失笑の嵐だったが

本人はまだ読み足りないのか少し不満げですらあった。



何故か、ふと思い出してしまった。

彼との思い出は実はけっこうあるので、本当にたまに思い出す。

そして、もう一度芳一さんを聴きたいとも思っている。

彼は、無事に就職が出来ているのか、生きてるのかすら

わからないので密かに心配はしているのだが・・

尚ちゃん元気ですか??