イブの日に隣で調髪中の初老の男性。68歳と理髪店の主人と話していました。血圧高くて、いつ倒れてしまうか判らないから、短く刈っておきたいと、五分刈りバリカンで刈っていたところ、男性は段々と頭をうなだれいった。
主人がシャンプーは止めときましょう。ゆっくり休憩してください。と男性に話しかけ、男性は貧血だとつぶやく声を聞いた。少しして男性がトイレを借りたいと店の奥にジッパーを下ろしながら歩いていくと、ふらっときたのだろう、よろけて近くにあるものに手をかけ、男性店員が倒れないように抱えた。店員は主人にどうしようか、男性に救急車呼びますよと声をかけたが意識が薄れ気味か返事が無い。店員が抱き抱えたまま困っていたので、メガネをかけて男性に近寄り、店員と抱え、次に椅子を男性の背後に置いて座らせた。男性の顔をのそぎこむと、鼻を滴れかけ目は半開き。店員に男性の名前を知っているかと問うたがどこの方か知らないようなので、男性に名前とかかりつけの病院を聞きとった。他の店員にメモ用紙をもらい書きとめ店員に渡しながら、意識はあるようと安堵した。しばらくうなだれたままの男性は少し持ちなおしたのかトイレを貸して欲しいと店員に小脇を抱えられながらトイレに入る。主人が店先に出て救急車をまだか見渡し、次に男性は大丈夫かと、今度はトイレに見に行った。少し落ち着いて3組の客と店員は調髪や髭剃りをしていたが、主人がトイレに行き、ハッと店内にいた私たちも安堵から、もしかしたら倒れているかもと心配になった。
主人がトイレから戻ってきて、つぶやいた。

「動いとった。」 

私の髪を切っていた店員、右隣で毛剃りをしていた店員たちは、その手をとっさに止め、私もはさみの危険回避とともに、主人のいる方を見やり、しばし大爆笑。
まもやく救急隊員3人が店に到着。男性は迷惑かけたと詫びて、「地下鉄内が暖房で暖ったかく(外気との温度差ありすぎて)」と言って、料金を払い救急隊員に付き添われて病院に向かった。
大事に至らずに良かった。