2/25の上野ミロンガでのラストタンダです。

1は「孤独」、2は「挫折」、3は「心の冬」がテーマの定番曲。

そんな暗くてネガティブなイメージの言葉とは裏腹のロマンチックなメロディーが堪りません。

 

特に、Alma de Bandoneonの中のフレーズが独特で印象的。

 

「¡Sos una oruga que quiso ser mariposa antes de morir!

(お前は死ぬ前に蝶になりたかった青虫だ!)」

 

バンドネオンの形状が何となく芋虫っぽいことに由来しているようですが、飛ぶことを夢見て、その夢を泣きながら引き摺るものの叫び、それがバンドネオン心、という主旨の歌と理解しています。

 

余談ですが、去年うちでアゲハ蝶の青虫を虫籠で育てていました。

本能というか習性というか青虫ってとにかく上の方へ上の方へ行きたがりますね。

で、蓋の裏あたりにへばりついてさなぎになって、ある朝立派な蝶の姿になっていて、蓋を開けると全力で空高く羽ばたいていきました。

ただ、一匹だけ、さなぎのまま羽化することなく死んでいたのもいました。

残念な奴でした。

 

【フランシスコ・カナロ楽団/歌ロベルト・マイダ】

 

1.Soledad

ソレダ

孤独

1935

(要旨)

私は誰にも言ってほしくない

お前がお前の優しい命を 私からもう奪い去ったことを

 

私は嘘が欲しい

お前のあり得ない電話を待つために

 

私は誰にも考えて欲しくない

私の永遠の孤独がどれほど苦しく深いものであるかを

 

時は過ぎる

時計の長針はゆっくりチクタクしながら

悪夢をすりつぶしていく…

 

2.Alma De Bandoneon

アルマ・デ・バンドネオン

バンドネオンの心

1935

(要旨)

私はお前に嫌気がさした

お前の言うことがわからなかったし

お前の悩みも理解できなかったから

 

私はこんな気がした

お前の無情な歌が バンドネオンよ

お前の悩みを奪い去ったと

 

私はようやくわかった

お前が呻くとき 

お前を苦しめているあの絶望のことを

 

お前は死ぬ前に蝶になりたかった青虫なのだ!

飛ぶことを夢見て

その夢を泣きながら引き摺るものの声だった…

 

3.Invierno

インビエルノ

1937

(要旨)

冬が白い衣装をまとって 戻ってきた

愛のない私の人生に 霜がもう降り始めた 

 

深い苦しみ

わかることは一人でいることの恐怖

 

私の心に吹きぬける虚しい冷たい風が

心にどのように響くかを見ると 泣きたくなる

 

私の心の中にかかった冬の霧は

もう拭い去ることができないのだから…