海勢頭 豊 (うみせど ゆたか)を知っている人が日本中にどれだけいるんだろうか。

彼は沖縄から平和を発信し続けるシンガーソングライターだ。

各地で平和祈念ライブをしながら、修学旅行生を対象に長い沖縄の歴史を語り交えて「命どぅ宝」を訴えているのだ。


そんな彼が 『 GAMA-月桃の花 』 という映画の主題歌を書いている。

それが「月桃」という平和への願いがこめられた曲だ。

月桃は生姜科ハナミショウガ属に属する多年草だ。

春から白い花をつけ、秋には赤い実をつける。


この映画は、太平洋戦争での悲惨な沖縄戦をリアルに描いたものである。
平和の尊さと人間の命の大切さを訴えている映画だ。



私が海勢頭 豊とこの映画に出会ったのは、高校の修学旅行だった。

事前学習として映画を観たが、内容は衝撃的でこれまでの私の中の戦争映画を塗り替えた。

そして主題歌は心を捉えて離れなかった。


「6月23日待たず月桃の花散りました 長い長い煙たなびく ふるさとの花」


この1フレーズが頭から離れなかった。





沖縄では平和学習の一環として、ガマに入った。

ガマの中は想像以上に狭く、真っ黒闇だった。
懐中電灯を消した瞬間の闇への恐怖なのか、鳥肌が立ったのを今でも忘れない。


そして海勢頭 豊のライブも体験した。

ガマに入った後のライブは、歌詞がどれも心にストレートに入ってきた。


沖縄のイメージは、修学旅行を機会に変わったのは言うまでもなかった。

それは私だけでなく周りの友人たちも同じだった。

私たちは卒業までの1年ちょっとの間に何回も「月桃」を歌った。

誰かが口づさめば、最後は合唱になってた。


もし機会があるならば、日本中の人に 「 GAMA-月桃の花 」を見てもらいたい。
そしたらこの時代に生きている私たちがどんなに幸せかを知るだろう。