先生は言った。



「今まで自分が育てた中で、

最も速い記録は中村愛花だが、

最も記憶に残ったのは、桜七の県大会だった。」と



《令和5年 第50回群馬県小学校陸上教室記録会》



「何十年も陸上を教えてきた中で、

確かに転倒して入賞した奴は居たが、800mという短い距離で、転倒しても優勝したのは桜七だけだ今日は良いものを見せてもらった❗ありがとう❗✨」





先生は顔いっぱいの笑顔でそう言いながら、右手を差し出し、
組長は少し恐縮しながら右手を出して握手した。

先生からこんなふうに、子供が出した結果に対してお礼を言われたのは初めてだった。


《2位はへちょのライバル利根の怪物・高橋朋香



2023年10月28日  11時過ぎ 敷島陸上競技場にて
女子小学5・6年 800mがスタートした。

真ん中の青い🟦里見小のユニフォームがへちょである。事件はこの数秒後に起こる。


へちょ、まさかの転倒❗❗❗
スタートして数秒後、
もう見事な転びっぷりである。
往年のドリフを思い出させる、完璧なスライディングスタイルだ❗✨

もっと驚くべきはそのリカバリーの速さだった。
へちょは「走る転ぶ立ち上がる」が一連の流れであるかの様に、直ぐに立ち上がり、自分の前を走る子達を猛追する。

この猛追ぶりを見た時、3日間くらい飲まず食わずのライオンが、シマウマの群れを追い込むシーンを連想させた。

県大会は来場者が多いので、各地区ごとに応援席が指定されており、高崎市はトラック西側(チワワの帝王の位置)で応援だった。
赤い❌が事件現場である。
フィールドでは走り高跳びやテントやらが並び、西側スタンドから1コーナーも2コーナーもは全く見えなかった。

《続く》