(下)エジプトで出会ったポーチ売りの子ども。筆者のお気に入りの1枚



10日間の休暇が取れた。よし、エジプトに行こう。



2026年7月22日〜31日の10日間で、人生初の海外旅行に行ってきた。

ここでは、その時の思い出を、心に思い浮かぶままに書きつけていこうと思う。それ故に、あまり、まとまりのない文体になってしまうかもしれないが、ご容赦願いたい。



旅の始まりは早かった。



22日の深夜2時40分、自宅に呼んだタクシーに乗り、岡山駅へと向かった。

調べたところ、今年の7月から岡山駅から関西国際空港を結ぶ直行便のバスが運行しているらしい。

朝4時に出発して、8時には関西国際空港へ到着する。料金はわずか5000円。鉄道を使うよりも、時間も料金もずっとお得。本当にありがたい。


(上)深夜の岡山駅西口のバス乗り場。旅の始まりの瞬間ほど胸が高鳴ることはない



筆者は当初、エジプトでまるごと10日間過ごすつもりだったが、直前になって考えを変えていた。せっかくの長期休暇。次はいつ海外へ行けるか分からない。永遠にないかもしれない。ならば、いくつかの国を訪れながら、西を目指して進み、エジプトを目指すのもいいかもしれない。可能な限り、世界を見てみたかったから。



直行便の大型バスには、乗客が筆者を含めて2人しかいない。ほぼ貸切みたいなもんだ。

ここで筆者は、今晩の宿の予約をし、国際空港の乗り方について調べたりした。途中で車酔いになってしまい、ぐったりしていた。



さて、ここで少し、自分語りをしたい。

筆者は、子どものとき、古代エジプト文明に非常に魅せられたことがある。巨大で壮麗な建造物。美しい様式美の装飾や壁画。神聖なヒエログリフ。あの時代に感じていた高揚感は、今でも忘れることはできない。古代のロマンに完全に魅せられていた。





(上3枚)大エジプト博物館で撮影した古代エジプトの遺物。古代エジプト美術というのは、恐ろしいほど精巧で美しい




その時以来、筆者はずっとエジプトに行ってみたいと願っていた。子どもの時の夢は、エジプト考古学者になることだった。(今でも諦めてないよ笑)

何せ、筆者が高校を卒業した後、大学に行くのではなく就職を選んだのは、学費を稼ぐための手段だったのだから。






(上)空港付近から見た大阪湾。後から知ったのだが、関西国際空港は、大阪湾の海上に作られた世界初の完全な人工島による海上空港らしい



気づけば、空はすっかり明るくなっており、関西国際空港へ到着。




夢の実現というのは不思議なもので、いつまでも、いつまでも、夜空の星のように遥か遠くにありながら、気がつけばすぐ目の前にぶら下がっている。



今だ、行け。



ある日、突然気づくのである。ああ、遂に夢が実現するのか、と。人生には、時にこのような不思議な瞬間に出くわすようなことがある。



え?何を大袈裟なことを、だって?

そうかもね。

だけど、2026年の元旦を迎えたとき、自分が今年、海外旅行に行くとはまったく想定していなかった。いつも通り、いつか行けるといいな、という程度だった。

6月頃に突然思い立ち、突然決心がついたのだった。


(上)フライトまでの待機場所


関西国際空港に到着して、タイ航空でチェックインしようとしたが、タイ航空の受付がどこにも見当たらない。

空港の係員らしい人に聞いてみると、「タイ空港は⑧の受け付け場所ですよ」と親切に教えてくれた。

しかし、どう見ても⑧の受け付けの上部の看板には、ベトナム航空のロゴがずらり。その横にはユナイテッド航空のロゴがずらり…



どういうことだ?

一瞬、頭が真っ白になったが、タイ航空の受け付けがない理由は単純だった。

筆者が空港に早くに来すぎていたのだ。ただ、タイ航空のチェックインが始まってないだけだった。



30分ほど経過すると、いつのまにかベトナム航空の看板がすべて消えて、タイ航空の看板には変わっていた。時間割で、電光掲示板が表示する航空会社のマークが変わるという仕組みだったのか。



読者の皆様は、これ以上筆者の無知ぶりを聞いていても、つまらないことだろう。なので、ここからのことは割愛させていただく。

ただ、この後、筆者が30分間歩き回り、無事に搭乗ゲートにたどり着いたことを知れば十分だ。



さて、関西国際空港から私が乗る飛行機が離陸したとき、筆者はいったい何を感じたのだろうか。

それは、100年以上前の、とある旅行家が残した言葉に集約されている。

最後に、その言葉を引用して、筆者の旅行記のプロローグを終えることとしよう。



「整った社会秩序の下で育ったものにとって、何が起こるか分からない旅の出発点に立つときほど興奮に包まれる瞬間は滅多にない。閉じられていた庭の門が開かれていく…… 見よ!この計り知れぬ世界を!」

                                  ーGertrude Bell,1907