CTの有用性について | 久留米市御井町 あらき耳鼻咽喉科クリニック|ぞう先生&スタッフBLOG

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2016年2月、あらき耳鼻咽喉科クリニックとして移転開院致しました。

こんにちは荒木です。

 

寒い日が続いていますが、体調を崩されていませんか?

久留米でも、少しづつインフルエンザの患者様がでています。

 

 

先日の患者様です。

12歳の男の子が、「3週間前より右目が全く見えない」との主訴で来院されました。

眼科では原因不明の視力障害と言われたようです。

当院でCTを行ったところ、右の蝶形骨洞と呼ばれるところに陰影(下図の赤い矢印)を認めました。

 

 

 

 

 

 

蝶形骨洞の隣には視神経が走行しており蝶形骨洞の炎症が視神経に波及する、鼻性視神経炎と言われる病態です。

 

視力障害を伴う鼻性視神経炎は緊急手術の適応であり、すぐに久留米大学に紹介し緊急入院後に手術となりました。

 

先日、退院後に再診され、視力は改善傾向にあるとのことでした。

 

鼻性視神経炎はまれではありますが、早急に対応しないと失明することもあります。

蝶形骨洞の病変は普通のレントゲンではわかりません。

また、副鼻腔真菌症と言われるカビの感染もCTでないと診断がつきません。

 

レントゲンで長引く副鼻腔炎、原因不明の視力障害の方いらっしゃいましたら、一度CT精査をお勧めします。