○書評 27冊目 グリード
○真山仁
○講談社
○経済もの


ハゲタカシリーズということで、読んでみる。
ハゲタカ、ハゲタカⅡ、レッドゾーンと高評価なので、今作にも期待する。


○あらすじ


投資ファンド、サムライキャピタルの社長、鷲津政彦が主人公。舞台はアメリカ。サブプライムローンが原因で、リーマンショックが起こる頃、鷲津は大物アメリカ投資家のサミュエル・ストラスバーグと対峙していた。サミュエルは、鷲津にいくつか要求をする。アメリカの権力を握るサミュエルは、FBIを動員して、鷲津らを拘束する。鷲津は、アメリカの大手メーカー、アメリカン・ドリーム社の買収に挑む。それは、サミュエルが反対するものだった。


○書評 : 80点です。


専門的な金融用語がたくさん出て、読み応えがあった。単行本、上下巻と長編。アメリカの国家権力に挑む主人公と、仲間たちの物語。問題や対立にあいながらも、理解者を増やしていく主人公たちが、どう立ち向かっていくのか、気になりながら読み進めた。最後は、日本にとっても、アメリカにとっても、いいエンディングだった。


○こんな人におすすめ

⚫︎経済、金融、政治小説を探している人。

⚫︎世界を舞台にした物語に興味がある人。


○本音

⚫︎アメリカの金融知識が足りなかったので、理解しながら、休み休み読んだ。タフだったが、読後は、サブプライムローンやリーマンショックの事実を知ることができた。

⚫︎中盤、中だるみがあった。後半は、面白くなる。


○文章の相性 ☆☆☆


○シナリオ分析、物語の構成分析


主人公は、鷲津政彦だが、他にも2人の視点で、描かれている。米国投資銀行のジャッキーと、暁光新聞の北村の視点で描かれる。
主人公の欲望、目的は、アメリカの大手メーカーを買収したい、というもの。その欲望を妨げる障害が、数多く置かれる。物語に疑問、好奇心を抱かせる展開で、鷲津とサミュエルの戦い、どうなる?という気持ちにさせる。サミュエルの秘密も、後半描かれる。
映画化となれば、日米合作となる。