三回目の今回は整合性チェック。ここらへんからやれば何とかできる作業から知っていないとできない作業に入ってきます。

前回も言ったように、とりあえず大項目を書いてから、補足を書いていくので、前回書いたアオリ校正についても、語り尽くせないほどいろいろと説明したいことがありますがひとまず進めていきます。

（説明するとは言っていない）

整合性チェック、漠然としすぎて何から話したものか。。。

詳細な説明は端折って、こういう整合性チェックがあるよーという説明にとどめておくか。な？

よくあるのが「表記揺れ」。

あっちでは一人称「荒川君」って書かれているのにこっちでは一人称「荒川」か。おやおやこっちでは「俺」か。

というように、「使い分けの理由が分からない場合に」表記が揺れているよーと教える作業です。

よく知ったかぶっている校正者が、多出に寄せて赤字を入れていたりしますが、多出が間違っている可能性もあるので、本来の作業「表記が揺れていることに対してのアラート」を出しましょう。さすがに100％多出が正しいと思ったら、赤字を入れますが、それは表記揺れではなく誤字です。

例１）512メモリのパソコンにもう一つ512メモリを増設して1024メモリーにしました。

※どっちの表記にしたいねん！

例２）大坂府大坂市難波にある美容院では、大阪でも珍しいサブスクの美容院です。

※多出は大坂だけど、多出に揃えないでしょ？

（2023年2月5日 2:05時点）

てんかのえぬえちけーさまがー(棒読み

ぜひとも荒川君にこのページの校正をさせて下さいー（棒読み

次の整合性チェックは「番号」。

目次のページがある媒体だと、目次で「書かれているページ数」に「書かれている章の名前」がちゃんと入っているのかのチェック、

飛ばし注釈（※1　とか　*1　とか）と飛ばし先に「飛ばし注釈と同じ形」で「飛ばし注釈の内容として正しい内容」が入っているかのチェック、

などが整合性チェック（番号）に含まれます。

例題は、この１個前に記載した「表記揺れ」の項目の例題ですね。気が付いたでしょうか。「例２）」が二つありましたね。

これもあるあるです。

最後は記号です。まだ整合性チェックについては検算とか写真チェックとか書かなければいけない内容があるのですが、それは未来の自分が書くと思います。

この記号チェック、あるあるは「” ”」です。

どちらも閉じ記号なので先頭の「”」を「“」にする必要があります。この記号がでてきたら脊髄反射でチェックします。それくらいメジャーで、テレビの字幕なんかでもよく見ます。

「(）」もよく見ます。半角カッコと全角カッコの混在ですね。フォントによってはわからない場合もありますが、可能な限りチェックします。

頻度は少ないですが「 (～～)～～～) 」のように、記号の個数がおかしいパターンもあります。

校正者やお客さんによっては、この整合性チェックを「素読み」と言ってくる人がいるので、アバウトに素読みを指示された場合は作業内容を確認をした方が無難です。

広義の意味では整合性チェックも素読みといえますが、基本的に「素読み」はてにをはの確認や主述のねじれの指摘など、文章に手を加える作業なので、原稿ありきの商業印刷校正では、致命傷じゃなければさわらないことが多い作業です。

昔、「食べれるトラベル」みたいなキャッチコピーに「ら抜き言葉なのでらを足す」と赤字を入れていた校正者がいましたが、キャッチコピーを作るのにもお金が動いていて、さらに、どこまで波及する内容か想像もできないので、そんな無自覚な指摘は廃業チャンスといえます。

次回は素読みについて書くのかな。

荒川君の商業印刷校正講座③