令和5年11月22日に、令和5年度荒川区議会定例会11月会議の一般質問が行われました。

 

一般質問を行った森本達夫(もりもとたつお)議員の質問「中小企業支援について」と、それに対する産業経済部長の答弁を記載します。

 

※ この記事の「」内に記載している発言は、音声を文字起こししたものです。不正確な部分がある恐れがあります。また、「」内の()は筆者注です。「」内の漢字やカタカナ、ひらがな等の使い分けは筆者の解釈によるものです。ご了承ください。

 

 

 

6:15~ 一般質問「中小企業支援について」

18:30~ 産業経済部長答弁

 

 

森本達夫(もりもとたつお)議員 一般質問(2)「中小企業支援について」

 

 

森本達夫(もりもとたつお)議員(公明党)

(議会運営委員会副委員長、公明党区議団幹事長)

 

 

「(前略)

 

次に、中小企業支援について2点伺います。

 

 

(『ミラサポplus』を活用した補助金等のサポートについて)

1点目は、『ミラサポplus』を活用した補助金等のサポートについてです。

 

現在、国では『ミラサポplus』というサイトを設け、中小企業者向けの国や自治体の各種補助金の案内を行っています。『ミラサポplus』では、例えば事業再構築補助金、ものづくり補助金やIT導入補助金など、中小企業が活用できる様々な補助金や助成金などが紹介されており、専門家派遣等の支援制度や事例を簡単・便利に検索でき、電子申請までをサポートしています。

 

私たち公明党区議団は常々、国や都の予算や制度を積極的に活用すべしと申し上げておりますが、例えば新分野展開・事業転換・業種転換・業態転換または事業再編という思い切った事業再構築に意欲のある中小企業向けの事業再構築補助金は、申し込んだ事業者の採択率は約50%で、100社申し込んで50社が受けられると言われています。最大1億5千万円、4分の3を国が出します。1千万円のものを買ったら750万を国が出してくれます。それが2社に1社受けられるのです。申し込み時の添付資料も10年前に比べて半分以下となり、使い勝手が改善されています。

 

コロナ禍の影響に加え、エネルギー価格・物価高騰の影響も重なって、厳しい状況にある中小企業などに対し、荒川区としてあらゆる支援を講じていく必要があります。是非、この『ミラサポplus』も活用しながら、区の補助金だけでなく、国や都の補助金についても事業者へ積極的に周知を図るとともに、事業者が活用までたどり着けるよう、手続き面のサポートを含めた寄り添った支援をお願いしたいと考えますが、区の見解を伺います。

 

 

(輸出支援について)

2点目は、ジェトロなど関係機関のサービスを活用した区内事業者の輸出支援についてです。

 

ジェトロとは日本貿易振興機構で、日本各地の魅力ある工芸品・伝統品・生活用品など、日本企業の海外展開を総合的に支援しています。さらに昨年より、海外需要獲得に向けた新規輸出1万社支援プログラムを推進し、円安をチャンスに、輸出に乗り出す支援策を提案しています。

 

日本は輸出大国と言われていますが、それは大企業の一部が主で、中小企業ではわずか2%しかないのが現状です。国民1人あたりの輸出額では世界44位の輸出小国で、ほとんど輸出していない国と一緒というデータもあります。別の見方をすれば伸び代があり、まだまだやれることがたくさんあるとも言えます。

 

例えば、ある苺を作っている農業生産事業者が海外に輸出するようにしたところ、生産量は同じなのに売上は4倍になったそうです。埼玉県の古着屋さんが1キロいくらで売っていたところ、海外に輸出するようにしたら、キロいくらではなく1枚いくらで売れるようになり、売上が2倍にもなったそうです。売る相手を変えるだけで、収益が何倍にもなる可能性があります。こんなもの海外で売れるわけないだろうと思われていたものが、売れるチャンスがありそうです。

 

また、現在の円相場は円安に振れていることもあり、輸出という側面では収益拡大のチャンスとなっています。荒川区はものづくりのまちであり、技術に裏打ちされた製品が多く、海外展開のチャンスもあるのではないでしょうか。輸出支援については、ジェトロや中小企業整備基盤機構などが企業向けに行っています。こうした関連企業との連携を積極的に進め、荒川区の中小企業のポテンシャルを最大限に生かし、海外への活路開拓を含めた支援をするべきであると考えますが、区の見解を伺います。(後略)」

 

 

 

産業経済部長 答弁

 

 

「補助金等の支援策及び輸出支援に関するご質問にお答えいたします。

 

 

(補助金等のサポートについて)

まず、補助金等の支援策の周知につきましては、国・東京都・区による各種支援策を必要とする事業者にもれなく行き渡るよう、区報やホームページ、区相談窓口、メールマガジンをはじめ、東京商工会議所や区内団体などの関係機関への周知を行っております。また、企業相談員による区内企業への循環(巡回)訪問時においても、ご質問にありました国が設けた中小企業向けの支援策に関するポータルサイト『ミラサポplus』も活用しながら、事業者の課題・要望に応じた適切な支援策の紹介を行っているところでございます。さらに、手続き面につきましても、様式における記載内容の体裁やスケジュールに沿った提出をサポートするなど、申請から補助金の交付に至るまで事業者に寄り添った支援を行っております。

 

本年5月に新型コロナは5類感染症に移行し、経済活動は復調の傾向があるところですが、物価高騰による生産コストの上昇など、依然として経営環境は厳しい状況にあります。区といたしましては、引き続き企業相談員等を通じて、各種支援策の周知や手続き面の支援を行ってまいります。また、ご質問の趣旨を踏まえ、今後は事業者が日常からお付き合いのある金融機関をはじめとした関係機関との連携をより密にし、関係機関が顧客の支援ニーズを把握した際には区へいち早く繋げてもらうなど、支援を必要としている事業者に確実に支援の手が届くよう、補助金に関する周知と活用に関する取り組みを強化してまいります。

 

 

(輸出支援について)

次に、輸出支援に関する取り組みについてお答えいたします。

 

区では、海外への販路拡大に向けた取り組みとして支援しており、これまでもジェトロ等によるセミナーでの情報提供や、海外の見本市への出展費用を助成するほか、外国特許取得に関しては高度専門家派遣により支援を行っているところです。また、昨年度に事業者から要望のあった海外展開につきましては、中小企業基盤整備機構と連携して専門家によるハンズオン支援を行うなど、区内中小企業の国際化の取り組みについて関係機関と連携しながら支援しているところでございます。今後、少子高齢化や人口減少に伴う国内市場の縮小が中長期的に見込まれる中、荒川区の優れた技術・製品を海外に向けて販路開拓を行っていくことは大変重要であると考えております。

 

区といたしましては、引き続きジェトロや中小企業基盤整備機構、東京都中小企業振興公社などの関係機関と連携して輸出を支援するとともに、補助制度等の支援の充実を検討するほか、『ara!kawa』(あらかわ)ブランド認定品や『(荒川区)新製品・新技術大賞』を受賞した事業者に対して輸出を働きかけていくなど、事業者の海外に向けた販路開拓を支援してまいります。」