令和5年11月22日に、令和5年度荒川区議会定例会11月会議の一般質問が行われました。

 

一般質問を行った森本達夫(もりもとたつお)議員の質問「健康増進について」と、それに対する健康推進担当部長の答弁を記載します。

 

※ この記事の「」内に記載している発言は、音声を文字起こししたものです。不正確な部分がある恐れがあります。また、「」内の()は筆者注です。「」内の漢字やカタカナ、ひらがな等の使い分けは筆者の解釈によるものです。ご了承ください。

 

 

 

0:30~ 一般質問「健康増進について」

15:25~ 健康推進担当部長答弁

 

 

森本達夫(もりもとたつお)議員 一般質問(1)「健康増進について」

 

 

森本達夫(もりもとたつお)議員(公明党)

(議会運営委員会副委員長、公明党区議団幹事長)

 

 

「公明党の森本達夫です。私は、3項目5点にわたり質問をさせていただきます。

 

 

 

初めに、健康増進施策推進について2点お聞きします。

 

 

(生活習慣病対策等の健康増進計画改定について)

1点目は健康増進計画についてです。

 

私たち公明党は大衆福祉を掲げ、全ての人の命と暮らしが守られる社会を目指し、誰1人取り残さないとの思いで、人生100年時代における生涯現役社会に向けて全力で取り組んでおります。今後2025年以降の現役世代の人口急減という新たな局面に入り、40年頃には高齢者数がピークを迎えるとされています。その中で社会の活力を維持するには、1人ひとりの健康寿命を伸ばしていくことが重要です。そのためにも、生活習慣病やフレイルの予防、癌対策などが極めて大事です。

 

荒川区にあっても、高齢化と共にフレイルの進行、心臓病、糖尿病などにより要介護になる方の増加が懸念されます。区民の健康の増進の重要性が著しく増大していることを踏まえ、健康寿命を伸ばし、生涯現役で生き生きと暮らしていただくために、総合的な対策を図っていかなければなりません。改定を進めている健康増進計画において健康を増進させるために、区では国の方針等を踏まえながらこれまでの事業の評価を行い、引き続き糖尿病だけでなく生活習慣病全般に関係する対策を強化していくと伺いました。まずは、新たな健康増進計画において生活習慣病全般の対策の強化に関してどのような取り組みを行っていくのか、区の見解を伺います。

 

 

(健康ポイント制度の導入について)

次に、健康ポイント制度の導入についてです。

 

生活習慣病予防のために、荒川区民に楽しく・無理せず・お得に健康づくりに取り組んでもらうため、健康ポイント制度の導入を要望いたします。

 

健康ポイント制度は、健康づくりのための運動や健康診断の受診に対してポイント付与を設けることで、健康づくりにお得に・楽しく・無理せず取り組んでもらう仕組みであります。

 

これと関連した取り組みで、『いきいきボランティアポイント制度』があります。荒川区在住の65歳以上の方を対象に、ボランティア活動を通して高齢者の社会参加・地域貢献を奨励し、高齢者自身の介護予防を促進することにより、元気な高齢者が暮らす地域社会づくりを目指すため、我が党が提案・要望し、平成23年7月1日から開始されております。多くの方が登録し、活用していただいていることに感謝いたします。

 

そしてさらに私たち公明党は、これまでに健康ポイント制度を幾度も提案・要望してまいりました。それに対し区は『出来るだけ多くの区民の方に、健康に対する意識を高めていただくような働きかけが必要であると認識しております。このような点から、今回ご提案いただきました、区民の方が楽しみながら健康づくりに取り組むことが出来る視点は重要なことと認識しております』と答弁し、制度に前向きな評価を示しております。

 

しかし一方で、実施自治体では運動を始めるきっかけになったなどの成果は得られている一方、事業開始後もいかに運動習慣を継続していただくかが課題となっているなどと、制度の課題も認識しています。

 

そんな中、健康寿命を伸ばすきっかけとして、健康ポイント制度を実施する自治体が次々と増えてきております。7月、福祉・区民生活委員会で視察を行った宇都宮市では4万人を超える方が参加し、健康増進計画の重点施策に位置付けていると報告を受けております。各自治体で参加者を増やし、運動を継続してもらうため、様々なアイデアが考えられています。ウォーキングなどの歩数や運動量、健康診断の受診などでポイントが付与され、得たポイントについては5千円程度の商品券や施設利用割引券への交換や抽選会への参加、福祉などに寄付をするなどの仕組みもあります。

 

『いきいきボランティアポイント制度』は65歳以上の方を対象としておりますが、健康寿命を伸ばす取り組みは若い時から始めることが大事であると考えます。より幅広い世代に利用者を広げるアイデアの1つとして、例えば板橋区で取り入れられている『いたばしPay』という区内限定で利用できるデジタル地域通貨を荒川区でも仮称『あらペイ』として推進してはどうでしょうか。

 

いずれにしましても、健康ポイント制度について様々な取り組みがなされております。荒川区においても、幅広い世代に対してこうしたポイント制度を健康増進計画に位置付け、実施することで、区民が楽しく、また社会貢献を行いながら健康づくりに取り組めると考えます。区の見解を伺います。(後略)」

 

 

 

健康推進担当部長 答弁

 

 

「荒川区健康増進計画の改定における、生活習慣病対策の強化及び健康ポイント制度に関するご質問にお答えいたします。

 

 

(生活習慣病対策について)

生活習慣病は、運動不足や不適切な食生活、長年の喫煙等から端を発し、糖尿病や循環器病等を発症しますが、生活習慣の改善等で予防や進行抑制が可能です。次期荒川区健康増進計画では、現計画の取り組みの成果や課題等を踏まえ、健康寿命を延伸させるため、健康づくりの基本要素となる『栄養・食生活』・『身体活動・運動』・『喫煙』・『飲酒』・『こころの健康づくり』・『歯・口腔の健康』の6つの生活習慣の改善と、生活習慣病の早期発見・重症化予防に施策を分け、これまでの取り組みの充実に加え、新規事業として『栄養・食生活』では野菜ソムリエによる講演会をはじめとした健康的な食生活の普及・啓発、『身体活動・運動』ではスマートフォン向けアプリを活用したオンラインウォーキングイベントや、女性の加齢やホルモンの変化とも関係する骨粗鬆症検診の医療機関での実施など、それぞれの対策を充実させることにより、生活習慣病の改善が図れるよう計画しております。

 

 

(健康ポイント制度について)

また、議員ご提案のウォーキングなどによる健康ポイント事業は、健康無関心層に対する身体活動や運動などの健康づくりに参加するきっかけづくり・継続支援として効果的であることが先行自治体の例などから明らかとなり、さらに令和5年5月に改正された国の計画においても、健康に関心の薄い方に対するアプローチの必要性が取り上げられたことも踏まえ、区の次期計画では健康ポイント事業を自然と健康になれる環境づくりの取り組みの1つとして位置付け、実施の準備を進めております。

 

実施に際しては、先行自治体の多くで健康行動や意識が低いとされる20代・30代を中心とした若年層の参加率に課題があることも認識しており、利便性の高いアプリでの実施はもちろん、若年層の選択率の高いデジタルマネー等の景品の充実や、○○(聞き取れず)事業を通じた対象層への積極的周知、ネーミングの工夫など、関心を持ってもらえる仕組みの構築が重要だと考えております。

 

 

区といたしましては、議会をはじめ関係機関の皆様にご協力とご支援を賜りながら、生活習慣病対策の事業を充実するとともに、全ての区民が生涯を通じた健康づくりに取り組める環境づくりを行ってまいります。」