令和5年11月22日に、令和5年度荒川区議会定例会11月会議の一般質問が行われました。

 

一般質問を行った斉藤邦子(さいとうくにこ)議員の質問「ひとり親家庭の支援について」と、それに対する子ども家庭部長の答弁を記載します。

 

※ この記事の「」内に記載している発言は、音声を文字起こししたものです。不正確な部分がある恐れがあります。また、「」内の()は筆者注です。「」内の漢字やカタカナ、ひらがな等の使い分けは筆者の解釈によるものです。ご了承ください。

 

 

 

10:00~ 一般質問「ひとり親家庭の支援について」

19:55~ 子ども家庭部長答弁

 

 

斉藤邦子(さいとうくにこ)議員 一般質問(3)「ひとり親家庭の支援について」

 

 

斉藤邦子(さいとうくにこ)議員(共産党)

 

 

「(前略)

 

第3に、ひとり親家庭の支援についてです。

 

 

(ひとり親家庭の家賃助成について)

2019年に続いて、2022年に『ひとり親家庭アンケート調査』を行っています。世帯の収入では400万(円)以下が8割近くで、前回の調査より増えています。住まいの状況では、民間賃貸住宅が約4割、都営・区営住宅は1割ちょっとで、家賃住宅ローンの支払いが『10万円以上』、『8万(円)から10万(円)』を合わせると36%以上になっています。住まいに対する不満は、『部屋が狭い』、『引っ越したいがお金がない』、『設備が悪い』、『家賃が高い』などが挙げられています。調査結果をまとめて『住宅の確保について一層の支援が必要であることがわかりました』と明記をされています。

 

荒川区の現在の住宅支援は、民間賃貸住宅入居時の保証委託料の補助と、就労支援連携の住宅支援・月4万円1年間の貸し付けしかありません。しかもこの利用実績は、保証(委託)料の補助が2020年度7件、2021年度6件、2022年度6件です。貸し付けも利用者が増えているとはいえ、今年度は9月現在で8件だけです。なぜこんなに少ないのでしょうか。ひとり親家庭の真のニーズとマッチしていないのではないでしょうか。

 

日本共産党は、都営住宅に当たらないひとり親家庭に対して、その差額家賃補助を提案してきましたが、改めて今回のアンケート調査からも実施が必要であると思います。一層の支援が必要とわかっているのですから、具体化していただきたいのです。都営住宅の所得基準に該当するひとり親世帯への家賃助成を検討し、実施すること、お答えください。

 

 

(ひとり親家庭サポート事業について)

2つ目は、ひとり親家庭にヘルパーやベビーシッターを派遣し、育児や家事援助を行うサポート事業についてです。

 

この点でもアンケートの総括で、『ひとり親家庭の親は1人で家事・子育て・仕事と3役をこなしていかなければならない』、『ひとり親家庭サポートの推進が求められている』とまとめています。アンケートには、『月に利用できる回数制限がある夕食の支度など、1時間で良いので、短時間であれば回数制限を無くしてほしい』、『サポート事業を知る機会が無い』、『家事援助サービスは障がい児なら中学3年生まで広げて欲しい』などのご意見・ご要望が寄せられています。

 

育児援助は生後6ヶ月から小学校3年生まで、家事援助は小学校1年生から6年生までとなっています。子どもの年齢ではなく、そのご家庭の状況や希望に応じて適切に支援する必要もあるのではないでしょうか。また、ひとり親になって1年以内は条件を問いませんが、その後は技能習得、就職活動、急病や冠婚葬祭や公的行事の参加、残業や休日出勤などの場合に限っています。このためか、コロナ時で半減していますが、通常でもこれも10世帯前後、登録世帯も30件にもなりません。せっかく実施したアンケートの声を生かして、使いやすい・使ってみようと思える制度に改善することを求めます。

 

 

 

以上、第1回目の質問を終わります。」

 

 

 

子ども家庭部長 答弁

 

 

「(前略)

 

(ひとり親家庭の家賃助成について)

次に、ひとり親家庭の家賃助成に関するご質問にお答えいたします。

 

令和4年度に実施しましたアンケート調査の結果、今後必要と考える支援策として、住宅確保支援の充実といった回答が上位となっており、区といたしましても、住宅の確保支援は重要な課題であると認識しております。

 

区では平成29年度より、区内の民間賃貸住宅への入居の際に保証(委託)料を補助する事業を実施しているほか、令和3年度からは社会福祉協議会と連携し、児童扶養手当受給者を対象に住居を借りる資金を貸し付け、新たに就労できた場合等には返済を免除する事業を実施しているところでございます。

 

引き続きひとり親家庭に寄り添いながら、安定した居住環境の確保を図り、ひとり親家庭の自立に向けた支援の充実に努めてまいります。

 

 

(ひとり親家庭サポート事業について)

最後に、ひとり親家庭サポート事業に関するご質問にお答えいたします。

 

区では、日常生活を営むのにサポートが必要なひとり親家庭の自立を支援し、安心して子育てが出来るよう、小学生以下の児童がいるひとり親家庭に対しホームヘルパー等を派遣し、育児や家事援助サービスを提供しております。

 

令和4年度のアンケート調査において、当該サービスの認知度や利用状況を見ると、ひとり親家庭サポート事業を知らない世帯が約3割、利用したことが無い世帯は6割強もおり、事業の積極的な周知と、更なる利用促進が課題であると認識しております。

 

周知にあたりましては、ひとり親家庭へのサービスをわかりやすく紹介する『ひとり親家庭応援ガイドブック』を作成し、配布を行うとともに、ひとり親家庭向けのメールマガジンの配信を行っているところでございます。

 

また、利用にあたりましては、直接事業者と調整が可能となるよう手続きの簡素化を図っているほか、利用要件の緩和についても検討を進めております。

 

区といたしましては、ひとり親家庭の方々のニーズにきめ細やかに対応し、ひとり親家庭の自立の促進に関する支援に引き続き取り組んでまいります。」