令和5年11月22日に、令和5年度荒川区議会定例会11月会議の一般質問が行われました。

 

一般質問を行った若林由季(わかばやしゆき)議員の質問「インクルーシブ教育の拡充について」と、それに対する教育長の答弁を記載します。

 

※ この記事の「」内に記載している発言は、音声を文字起こししたものです。不正確な部分がある恐れがあります。また、「」内の()は筆者注です。「」内の漢字やカタカナ、ひらがな等の使い分けは筆者の解釈によるものです。ご了承ください。

 

 

 

26:20~ 一般質問「インクルーシブ教育の拡充について」

38:20~ 教育長答弁

 

 

若林由季(わかばやしゆき)議員 一般質問(5)「インクルーシブ教育の拡充について」

 

 

若林由季(わかばやしゆき)議員(自民党・次世代)

 

 

「(前略)

 

次に、荒川区におけるインクルーシブ教育の拡充について、区の取り組みについてご質問いたします。

 

 

(インクルーシブ教育の重要性について)

現在、日本における特別支援教育のあり方が注目をされています。私は、質の高い教育を十分に提供するにはインクルーシブ教育の観点が大切であり、障がいの有無に関わらず誰もが安心して過ごせる環境づくりを進めるインクルーシブ教育において、特別な支援を必要とする子どもたちをしっかりと支援することが必要であると考えております。

 

小学生や中学生のお子様を持つ保護者の中には、我が子が学校で起こった友人関係のもつれや、学習面で上手くいかずに遅れを感じ自信を無くした姿を見て、どうして良いか困ってしまい、特別支援教育を受けるべきか悩んでいる保護者の方も少なくありません。

 

しかしながら、悩みの1つとして、特別支援教育について子ども同士の差別や偏見が無いかなど様々な不安があり、周囲の反応が気になるとのことです。私が議員になる前に、ゆいの森図書館にて『元女子高生、パパになる』の著者・杉山文野さんの公演会に参加した際に、子どもの偏見は親が作るものだとおっしゃっておりました。まずは、特別支援教育に対する偏見や、保護者の不安を払拭するための理解促進をお願いするとともに、人間1人ひとりの個を尊重し、様々な価値観を共有する多様社会を受け入れることが出来る大人に育てるためにも、幼少期からの1つの環境下に様々な人が共生するインクルーシブ教育を経験することが重要と考えます。

 

 

(共同学習や交流活動の重要性について)

全ての子どもたちが地域の中で積極的に活動し、共に支え合って生きていくためには、共に学び、共に育つ機会を作る交流及び共同学習が、インクルーシブ教育につながると考えます。また、学校卒業後においても障がいのある子どもにとっては、様々な人々と共に助け合って生きていく力となり、積極的な社会の参加につながります。また、障がいの無い子どもにとっては、障がいのある人に自然に声をかけ、手助けをしたり、積極的に支援を行ったりする行動や、人々の多様なあり方を理解し、障がいのある人と共に支え合う意識の醸成につながると考えますが、区の見解をお伺いいたします。(後略)」

 

 

 

教育長 答弁

 

 

「インクルーシブ教育に関するご質問にお答えいたします。

 

 

(特別支援教育について)

特別支援教育におきましては、支援を必要とする児童・生徒の自立と社会参加を見据え、子どもたち1人ひとりの教育ニーズに最も的確に応える指導が出来るよう、通常の学級や特別支援教室・特別支援学級・特別支援学校など、多様な学びの環境を整えることが重要となってございます。

 

 

(共同学習や交流活動について)

一方で、障がいの有無に関わらず誰もが互いを尊重し、思いやる共生社会の実現を目指し、インクルーシブ教育の一環として、各校では特別支援学級と通常学級との共同学習や交流活動を積極的に実施するとともに、『副籍制度』を活用し、特別支援学校の子どもたちが運動会や文化祭など地元の学校行事に参加するなど、地域の子どもたちと交流を深めてございます。こうした様々な交流を通して、障がいのある子どもも、障がいのない子どもも、互いにふれ合い、思いやりの気持ちを育むとともに、子どもたちが障がいについて正しく理解し、共に尊重し合う心を身につけられるよう、各校において教育活動を展開してございます。

 

 

(特別支援教育の理解促進について)

また、保護者の方々がお子さんの発達に不安を感じたり、お困りの際には、お気軽にご相談が出来るよう、校長を中心に教職員やスクールカウンセラーが組織的にきめ細かな教育相談を行うとともに、区のホームページ等を活用し、特別支援教育に関する理解啓発を図っているところでございます。

 

議員からは、障がいへの偏見や保護者の不安を払拭するため、インクルーシブ教育の重要性について、より一層理解促進を図るべきとのご提案をいただきました。今後はご質問の趣旨を踏まえて、特別支援学級や特別支援学校に在籍する子どもたちや保護者のご意向を確認しながら、子どもたちの交流の様子などを学校だよりやホームページ等を活用して広くお知らせするなど、特別支援教育やインクルーシブ教育に対する理解の促進に、より一層を努めてまいります。

 

 

教育委員会といたしましては、障がいの有無に関わらず、全ての子どもたちが安心して楽しく質の高い学校教育活動に参加できるよう、学校現場と緊密に連携を図りながら、体制の整備・充実と積極的な周知に努めてまいります。」