令和5年11月21日に、令和5年度荒川区議会定例会11月会議の一般質問が行われました。

 

一般質問を行った鬼頭あきゆき(きとうあきゆき)議員の質問「自転車の安全対策について」と、それに対する区民生活部長の答弁を記載します。

 

※ この記事の「」内に記載している発言は、音声を文字起こししたものです。不正確な部分がある恐れがあります。また、「」内の()は筆者注です。「」内の漢字やカタカナ、ひらがな等の使い分けは筆者の解釈によるものです。ご了承ください。

 

 

 

0:45~ 一般質問「自転車の安全対策について」

13:05~ 区民生活部長答弁

 

 

鬼頭あきゆき(きとうあきゆき)議員 一般質問(1)「自転車の安全対策について」

 

 

鬼頭あきゆき(きとうあきゆき)議員(立憲民主党)

 

 

「予想を超える多くの拍手ありがとうございます。立憲民主党荒川区議団の鬼頭あきゆきです。会派を代表いたしまして、一般質問をさせていただきます。

 

今回は、区民の皆様が安全にそして安心して暮らすことの出来る街を築くための施策について、大きく3点質問させていただきます。理事者の皆様におかれましては、是非とも前向きなご答弁をお願い申し上げます。

 

 

 

まず初めに、自転車の安全利用に関する事項につきまして伺います。

 

 

(自転車が関与する交通事故の状況について)

当区の交通事故の件数は23区内では1番少ない状況にあり、令和4年1年間の事故件数は323件でした。しかし、自転車が関わった事故は206件ととても多く、割合で言えば事故全体の実に64%が自転車の事故ということになります。こうしたことから、私は9月会議におきましても、自転車事故を減らすことが交通事故撲滅への近道であると訴えさせていただいたところですが、今回はもう一歩踏み込んでご提案をさせていただきたいと思います。

 

 

(自転車の交通ルール違反の取り締まりについて)

自転車が関与する事故が増加してることは全国的に見ても同様で、交通ルール違反が事故の原因となっています。このため、自転車利用者に交通ルール遵守を徹底してもらうために、平成27年に道路交通法が改正され、自転車の運転に関して一定の違反行為を3年以内に2回以上行ったものに対して、都道府県公安委員会が(自転車運転者)講習の受講を命ずることが出来るようになっています。また、信号無視や一時不停止などの危険な違反行為に対しては赤切符を切ることなど、取り締まりが強化されています。

 

しかし、自転車の取り締まりには車やバイクと異なり青切符の制度が無いため、現場の警察官が違反者に交付できるのは、注意のみでの処罰の『指導警告票』か、略式起訴が前提の赤切符となっているため、専門家も『検挙数が増えても事故が減少しない原因は、自転車の利用者に、どうせ取り締まられることは無いと認識を持たれているのではないか』と指摘しています。

 

こうした状況を踏まえ、この夏に警視庁は自転車やオートバイのように、いわゆる青切符による取り締まりを行う反則金制度の導入の検討を開始したと報道されています。現在の赤切符の制度では、起訴された刑罰を受けると前科もつきますが、起訴までされる人はごくわずかで、多くは罰金刑などの刑事罰を受けていないとのことです。一方で、青切符は自転車やバイクなどの免許証の制度に昔から導入されているもので、反則金を支払わなければそれで終わりになります。自転車にも青切符を切ることの出来る制度が出来れば、実効性のある取り締まりを行うことが出来るため、自転車利用者の交通ルールの遵守の機運を高めることにつながると思います。

 

私はこの制度の早期実現を期待してるところですが、青切符を交付された人が恣意的な取り締まりだと感じないよう、違反行為の内容や対象年齢など、具体的に決めるためには時間がかかりそうです。

 

 

(青色パトロールカーによる声かけについて)

そこで提案したいのが、青色パトロールカーによる声かけです。区が導入している青パトは取り締まりまでは出来ませんが、交通ルールを守っていない自転車利用者に対して、『危ないですよ』、『一時停止してください』、『信号守ってください』、『ながら運転はやめてください』などと直接呼びかけることで、交通ルール遵守を意識させることが出来ると思います。青パトはいつも録音されたメッセージを流して走っていますが、助手席に乗車している隊員の方がマイクを使って生の声で直接呼びかけた方が、大きな効果を得られると思います。

 

このことにつきまして先日所管課に申し上げたところ、既に青パトが呼びかけを行っているとのことでした。しかし、少なくても私は1度もその場面を見たことがございません。ありがとうございます。

 

自転車の事故を無くすためには、左右を見ずに大通りに飛び出したり、都電通りの車道を逆走したり、スマートフォンを操作しながら運転するなど、ルール違反をしている自転車利用者に直接呼びかけ、違反は許されないことであることを理解してもらう必要があります。青パトによる声かけ作戦をもっともっと積極的に行うべきだと思いますが、区のお考えを伺います。(後略)」

 

 

 

区民生活部長 答弁

 

 

「まず初めに、自転車の安全対策に関するご質問にお答えいたします。

 

 

(自転車が関与する交通事故の状況について)

区内で発生している交通事故の件数は、令和元年から引き続き23区で最も少ないものの、そのうち自転車が関与する事故の割合は非常に高い状況が続いております。また、事故にあった自転車のうち8割近くに安全不確認などの交通違反が認められていることから、自転車利用者に対して交通ルールの遵守徹底を促していくことは、区内の交通事故の大幅な減少につながるものと認識しているところでございます。

 

 

(交通安全の啓発について)

そのため区では、自転車の交通ルールや安全な乗り方などについて、ホームページや区報特集号、SNS、町会回覧板、新聞折り込み等による啓発のほか、保育園保護者に対する交通安全講座や、警察と連携した荒川自然公園交通園や各小学校での自転車安全利用講習会、スケアード・ストレイト方式(スタントマンによる交通事故の再現)による交通安全教室、街頭での広報など、様々な媒体やイベント等を活用して周知に努めてまいりました。

 

 

(青色パトロールカーによる声かけについて)

また、『安全・安心パトロールカー』青パトの巡回時に、傘差し運転やながらスマホ、信号無視や車道の逆走といった自転車のルール違反を見かけた際には、隊員がマイクを使い該当者に対して注意を呼びかけるといった直接的な注意喚起についても実施しております。

 

 

(ハード面の対策について)

また、昨年度策定した『(荒川区)自転車総合活用推進計画』に基づき、自転車ネットワーク路線における自転車走行(通行)空間の整備や、区内各警察署と連携した交差点内等へのカラー舗装、滑り止め舗装の施工などを行っているほか、町会や学校関係者等、区民からのご意見をもとに、注意喚起のための看板や電柱ステッカー、ストップマーク、カーブミラーを随時設置するなど、ハード面での対策にも取り組んでおります。

 

 

(TSマークの加入支援について)

さらに、整備不良による事故を防止するため、自転車の点検整備と保険加入を同時に行えるTSマークの加入に対する支援を行うなど、啓発以外の事故防止策につきましても実施をしてるところでございます。

 

 

(自転車用ヘルメット購入助成について)

このほか、事故が発生してしまった場合に備えて、本年5月からは自転車用ヘルメット購入に対する助成も開始しており、すでに2千件を超えるご利用をいただいております。

 

 

(自転車の交通安全啓発動画の作成について)

これら様々な取り組みに加えて、今年度の新たな交通安全対策といたしましては、自転車だけでなく車やバイクの利用者に対しましても、自転車の交通ルールへの理解をより深めていただくため、実際の区内の交差点等を題材として、自転車の正しい通行方法や利用方法を啓発するための動画の作成に取り組んでるところです。

 

 

(今後の取り組みについて)

区といたしましては、今後もご質問の趣旨を踏まえ、『安全・安心パトロールカー』青パトによる呼びかけを積極的に行うとともに、様々工夫をこらしながら、自転車の交通ルールの啓発・事故防止のため、警察等の関係機関と連携しながら、より一層取り組みを推進してまいります。(後略)」