令和5年11月21日に、令和5年度荒川区議会定例会11月会議の一般質問が行われました。

 

一般質問を行った小島和男(こじまかずお)議員の質問「共同住宅の住環境とその周辺の公共施設の整備について」と、それに対する土木担当部長の答弁を記載します。

 

※ この記事の「」内に記載している発言は、音声を文字起こししたものです。不正確な部分がある恐れがあります。また、「」内の()は筆者注です。「」内の漢字やカタカナ、ひらがな等の使い分けは筆者の解釈によるものです。ご了承ください。

 

 

 

9:25~ 一般質問「共同住宅の住環境とその周辺の公共施設の整備について」

21:05~ 土木担当部長答弁

 

 

小島和男(こじまかずお)議員 一般質問(3)「共同住宅の住環境とその周辺の公共施設の整備について」

 

 

小島和男(こじまかずお)議員(共産党)

 

 

「(前略)

 

第3に、共同住宅など開発行為に対する住環境・公共施設整備についてであります。

 

 

(住環境の整備の重要性について)

荒川区内の共同住宅居住者は14万7千人と、区内住民の3分の2に当たります。一方で、老朽の共同住宅も多く、密集市街地の割合が23区の中で1番高い地域となっています。地域の中で古い街と新しい街が混在する中で、住民の皆さんが安心して過ごすことが出来る住環境整備の推進は、重要な課題の1つです。

 

 

(共同住宅のごみ集積所と駐輪場の確保について)

この間、新築ワンルームマンションなどで、ごみ出し等の相談があります。荒川区は、廃棄物処理の条例(荒川区廃棄物の処理及び再利用に関する条例)、住環境整備条例(荒川区住宅等の建築に係る住環境の整備に関する条例)で、共同住宅15戸以上の場合は敷地内に専用集積所を設置すると定めていますが、15戸以下は義務は無いためにごみが散乱してご近所トラブルも起きています。ふた付きのごみストッカーの整備が必要です。

 

自転車駐輪場の整備条例(荒川区自転車等の放置防止及び自転車等駐車場の整備に関する条例)も同様で、15戸以上でスペースが無いと、公道に置かざるを得ないこともあります。

 

居住者と近隣住民のため、荒川ルール(条例)を見直して、廃棄物の集積所・駐輪場確保の対策を強化すること、答弁を求めます。

 

 

(マンション周辺の公共施設等の環境整備に対する開発事業者の協力について)

区内に中高層・超高層マンションが増え続け、日暮里地域ではこのままでは学校や福祉施設が不足するのではないかと不安の声が出されています。特に、旧コカ・コーラ跡地に13階建て304戸のマンション建設の看板が出されましたが、西側に諏訪台中学校、南側にはひぐらし小学校です。諏訪台中学校では、マンション増加による生徒増の対応のために設置した第2校庭は往復で20分もかかり、授業時間が短くなってしまいます。8月29日の子ども議会でも、諏訪台中の生徒さんから切実な質問もありました。

 

マンション建設による人口増は、子どもたちの教育環境を悪化させています。今後、西日暮里駅前・三河島駅前再開発では1,760戸のマンション建設が予定されており、学校・保育園・学童クラブの整備が追いつかないことが十分予測できます。

 

江東区では、世帯用30戸以上のマンション建設については、マンション建設により必要となる公共施設受け入れ等の対策を講じるために、1戸あたり125万円の公共施設整備協力金を区に納付するよう開発業者に求めています。また、151戸以上のマンション建設では、飲食店など生活利便施設と子育て支援や高齢者施設、公園など、地域貢献施設を住宅専用延べ面積の百分の一になるよう整備すること、さらに30戸以上のマンション建設については、地球温暖化対策としてCO2排出抑制のために、太陽光利用設備やエネルギー消費効率の高い設備などを求めています。

 

マンションなどの開発行為による人口増に伴う、学校・福祉施設などに必要な公共施設整備の将来予測を明らかにし、開発事業者に協力を求めるための対策を講じること、答弁を求めます。

 

 

 

以上で、第1回目の質問を終わります。」

 

 

 

土木担当部長 答弁

 

 

(共同住宅のごみ集積所と駐輪場の確保について)

共同住宅を建設する際の、廃棄物集積所及び駐輪場の確保の対策強化に関するご質問にお答えいたします。

 

区では、『(荒川区)市街地整備指導要綱』により、一定規模以上の建築物の建設、周辺の市街地環境に影響を与える施設整備等に関し、必要な事項を定めることにより、生活環境の向上と公共公益施設等との調和を図り、市街地の秩序ある整備を促進しております。

 

具体的には、総戸数6戸以上の共同住宅、寄宿舎及び長屋の用途に供する建築物の建設に関し、廃棄物の集積場所、戸数の100%の駐輪施設、建築物の緊急時の連絡先を記した表示板の設置について、事業者に対し指導を行っており、このような規定は近隣区の中でも厳しいものとなっております。

 

加えて、(荒川区市街地整備指導)要綱の規定に満たない規模の共同住宅等につきましても、自転車の駐輪に関し通行上支障がある場合には道路管理者として、また廃棄物の排出に関する問題が生じた場合には、清掃リサイクル事務所による『ふれあい指導』等により、適切に指導しております。

 

区といたしましては、今後とも廃棄物集積場所、駐輪施設、緊急連絡先表示板の設置につきまして引き続きしっかりと指導し、良好な住環境の形成に向けた取り組みを推進して参ります。

 

 

(マンションとその周辺の公共施設等の環境整備に対する開発事業者の協力について)

次に、マンション開発に関するご質問にお答えいたします。

 

区では、これまで住環境条例(荒川区住宅等の建築に係る住環境の整備に関する条例)により、公共施設整備の観点から総戸数15戸以上のマンションについて、義務教育施設等の設置に関する協議を行っております。さらに、50戸以上の大規模なマンション開発の早期の段階において、子育てのために必要な施設等の設置に関する協議も行っております。また、庁内において、この条例に基づく住宅戸数などの届け出状況について定期的に情報共有することにより、需要推計が行われているところでございます。

 

議員ご尋ねの、他区における事業者に施設設置の協力を求める事例につきましては、当区におきましても子育て支援施設・集会施設などを求めており、各区それぞれに特徴のあるものと考えてございます。

 

また、公共施設協力金につきましては、当区では過去に市街地整備指導要綱による環境整備協力金として開発事業者に納付を求めておりましたが、結果としてマンションの販売価格に転嫁されることが考えられたことから、平成3年の改正をもって廃止いたしました。

 

このような対応により、適切な公共施設の整備に努めているところであり、現在のところ開発事業者に対して更なる規制を求めることは考えておりません。

 

このほかにも、環境負荷低減につきましては、本条例に基づき省エネルギー対策等、地球環境への配慮に関する協議を行っており、令和7年度からは、建築物省エネ法の改正により、新築する全ての共同住宅において、省エネ基準への適合が義務づけられる予定となっております。

 

区といたしましては、今後も学校・子育て施設等の所管部署と情報共有を図り、開発事業者に対し、引き続き本条例や法律に基づき適切に指導してまいります。」