令和5年11月21日に、令和5年度荒川区議会定例会11月会議の一般質問が行われました。

 

一般質問を行った小島和男(こじまかずお)議員の質問「障がい者施策について」と、それに対する福祉部長の答弁を記載します。

 

※ この記事の「」内に記載している発言は、音声を文字起こししたものです。不正確な部分がある恐れがあります。また、「」内の()は筆者注です。「」内の漢字やカタカナ、ひらがな等の使い分けは筆者の解釈によるものです。ご了承ください。

 

 

 

6:00~ 一般質問「障がい者施策について」

17:50~ 福祉部長答弁

 

 

小島和男(こじまかずお)議員 一般質問(2)「障がい者施策について」

 

 

小島和男(こじまかずお)議員(共産党)

 

 

「(前略)

 

次に、障がい者対策についてであります。

 

 

(障害者権利条約について)

日本政府が2004年に批准した『障害者権利条約』では、障がいの無い市民との平等の実現が貫かれています。障がい者が障がいの無い人と同様の当たり前の暮らしをするために、あらゆる権利を保障し支援を行う社会的責任が、国や地方自治体にあることを宣言しています。

 

 

(国の障がい者政策について)

しかし、国の『障害者自立支援法』(現在は『障害者総合支援法』)は、社会保障削減を狙いとした構造改革路線に基づくもので、障がい者への負担を押し付けるなど、障がい者の権利を保障するものとはなっていません。応益負担の廃止や事業所への報酬引き上げなど、障がい者の権利を保障する制度への改善が必要です。

 

 

(区の障がい者施設や障がい者施策の当事者への周知について)

荒川区の障がい者施策では、この間『(荒川区)障害者基幹相談(支援)センター』の設置や『(荒川区)精神障がい者相談支援事業所コンパス』の設置など、一定進んでいますが、引き続き障がい者対策の強化が求められています。

 

障がい者(総合)プラン策定のためのアンケート(『荒川区障がい者総合プラン策定のための障がい者実態調査』)では、障がいに関する総合的・専門的相談支援の拠点として設置された『(荒川区)障害者基幹相談(支援)センター』について、開設から3年などまだ浅いことはありますが、『知らない』が身体障がい者で60.9%、知的障がい者で69.1%、精神障がい者84.8%にもなっています。また、区もまとめに書いていますが、『精神障害者(地域)生活支援センター・(支援センター)アゼリア』や『(荒川区精神障がい者)相談支援事業所コンパス』は当事者が8割以上も知らないというのはどういうことでしょうか。区として当事者の皆さんに積極的に周知するための取り組みを強化すること、答弁を求めます。

 

 

(重度障がい者に対応した障がい者グループホームの設置について)

この間、保護者の皆さんから繰り返し求められている重度障がい者を含む障がい者グループホームの設置について、何年待たせるのでしょうか。『スクラムあらかわ』に3年間入所しても、退所後に区内に入所先が無いために、自宅や親戚で対応するか、遠くの施設入所しか選択がありません。重度障がい者を含む障がい者グループホームの設置について、区として設置時期を明確にすべきです。答弁を求めます。

 

 

(支援センターアゼリアの老朽化への対応について)

荒川区『精神障害者地域生活支援センター・(支援センター)アゼリア』は、精神障がい者の皆さんの相談・講座などに取り組んでいます。現在の建物が築54年と老朽化が著しく進んでおり、区に早期の対応を求めています。老朽化が進む『精神障害者地域生活支援センター・(支援センター)アゼリア』について、移転も含め、施設整備を行うこと、答弁を求めます。(後略)」

 

 

 

福祉部長 答弁

 

 

「(前略)

 

(区の障がい者施設や障がい者施策の当事者への周知について)

次に、区の障がい者施設や障がい者福祉施策の周知に関するご質問にお答えいたします。

 

区では、誰もが安心して暮らし続けられる地域社会を目指し、障がい者福祉に関する事業を様々充実してまいりました。事業数の増加と合わせて、事業周知の重要性も増しているものと認識しております。

 

区では、(各種障害者)手帳を取得した際などに、担当のケースワーカーが利用できるサービスの説明を丁寧に実施してるほか、新たなサービスを開始する際におきましても、区報やホームページ、案内チラシ等により広く周知してることに加え、対象者が特定できる場合は該当する方に直接案内し、ご説明を差し上げるなど、きめ細やかな周知に努めているところです。

 

また、障がい者施設の周知につきましても、区報やホームページを活用してるほか、区民ギャラリーや区内図書館における特別展示コーナーの設置、転入者向けの『わたしの便利帳』の配布に加え、各障がい者施設のホームページでもご案内してるなど、様々な方法で広く周知を図ってきたところです。

 

区といたしましては、引き続き当事者やご家族、関係団体等のご意見を伺いながら、きめ細やかな周知に努めてまいります。

 

 

(重度障がい者に対応した障がい者グループホームの設置について)

次に、障がい者グループホームの設置に関するご質問にお答えいたします。

 

障がいのある方が住み慣れた地域で安心して生活していくためには、住まいの確保が重要であると考えております。とりわけ、重度に対応したグループホームの設置が求められていると認識しており、現在策定している新たな荒川区障がい者総合プランにおいても、対応方針について明記したところです。設置の促進に向けては、今年度から重度の方の受け入れを行う場合における支援メニューを充実し、推進を図っております。現在、関係事業者に周知するとともに、設置を検討してる事業者とすでに協議を進めております。また、用地の確保に向け、土地所有者とも協議を行っているところです。

 

区といたしましては、引き続き早期設置に向け取り組んでまいります。

 

 

(『支援センターアゼリア』の老朽化への対応について)

最後に、『支援センターアゼリア』の老朽化への対応に関するご質問にお答えいたします。

 

当施設は、昭和44年に竣工され、老朽化が進んでいることは課題として認識しております。『支援センターアゼリア』は、各種プログラムを実施してるほか、年間約2万6千件の相談を受けるなど、心の病を抱える方のための中核的な施設となっており、サービスを休止することなく運営していくことが重要と考えております。区では現在このような考えのもとに、移転や現地建替えなどあらゆる可能性を含め、施設の更新に向けた検討を進めております。

 

区といたしましては、『支援センターアゼリア』がより良好な環境のもとで精神障がい者の地域生活を支援する拠点としての機能を果たせるよう、引き続き取り組みを進めてまいります。」