令和5年11月21日に、令和5年度荒川区議会定例会11月会議の一般質問が行われました。

 

一般質問を行った小島和男(こじまかずお)議員の質問「区民・中小事業者・生活困窮者への経済支援について」と、それに対する総務企画部長、産業経済部長、福祉部長の答弁を記載します。

 

※ この記事の「」内に記載している発言は、音声を文字起こししたものです。不正確な部分がある恐れがあります。また、「」内の()は筆者注です。「」内の漢字やカタカナ、ひらがな等の使い分けは筆者の解釈によるものです。ご了承ください。

 

 

 

0:55~ 一般質問「区民・中小事業者・生活困窮者への経済支援について」

14:00~ 総務企画部長答弁

15:10~ 産業経済部長答弁

16:20~ 福祉部長答弁

 

 

小島和男(こじまかずお)議員 一般質問(1)「区民・中小事業者・生活困窮者への経済支援について」

 

 

小島和男(こじまかずお)議員(共産党)

 

 

(イスラエルによるガザ地区への攻撃について)

質問に先立ち一言申し上げます。イスラエルの大規模攻撃によって、ガザ地区は子どもの墓場となっています。難民キャンプや病院への攻撃は、いかなる理由があっても許されない戦争犯罪であり、ジェノサイドです。世界が一致して、ジェノサイド許すな、即時停戦の声を挙げることを求めます。

 

 

 

日本共産党区議団の小島和男です。3項目の質問を行います。

 

 

 

(物価高騰に関するアンケート結果について)

日銀の2023年9月生活意識に関するアンケート調査では、1年前に比べて現在の暮らし向きについて、ゆとりが無くなったとの回答が57.4%と、2年前に比べて1.6倍の伸び率になっています。その理由は、物価上昇が88.7%となっています。

 

(帝国)データバンクの調査では、今年の食料品値上げ品目数が3万1千を超え、過去最高級となっており、家計負担軽減のために1世帯で約3700円分の食費支出を切り詰めた可能性が指摘されているなど、物価高騰の影響が全国に広がっています。

 

日本共産党区議団が行った第31回アンケート調査では、1年前に比べ暮らしは苦しくなった72%と、昨年より17%増え、ひとり親家庭では物価高騰で何を買うにしても高すぎて買うことが出来ない、年金をもらってもそれでは生活できない、物価が上がる一方で給料が安いなど、深刻な声が多く寄せられています。

 

 

(積極財政に基づく来年度予算の編成を求める旨について)

日本経済は、30年にわたって深刻な停滞に陥っています。その背景には、新自由主義の政治による非正規雇用の拡大、実質賃金下落、社会保障削減と消費税大増税など、国民生活の破壊があります。一方で、法人税の減税など、大企業の内部留保は511兆円にまで増加しています。

 

日本経済を立て直すためにも、国として所得再配分での格差是正、賃上げ、社会保障の充実など、国民の暮らし応援のための積極財政への転換が求められています。岸田政権は1年限りの所得税減税、低所得者への給付を打ち出しましたが、国民からは焼け石に水などの悲観が広がり、支持率も続落しています。住民の暮らしと命を守る荒川区政の役割発揮が、いつに無く求められています。

 

日本共産党区議団は、522項目の来年度予算要望を提出しました。いずれも、区民の生活を支えるための切実な要望を取り上げたものです。

 

荒川区の財政運営は、実質単年度収支が長年にわたって黒字です。黒字を貯め続けることは、住民福祉の向上という区の役割に反しています。就学援助の対象拡大、介護保険料の値下げ、家賃助成制度をはじめ、区民の暮らしと命、営業を守るために、区として積極的かつ健全で計画的な財政運営を行うことは可能な財政状況です。来年度予算は、物価・エネルギー高騰などに対応した、区民の暮らし応援の積極財政に基づく編成とすること、答弁を求めます。

 

 

(中小事業者への光熱費値上げ分の直接支援について)

次に、緊急対策についてです。

 

多くの中小業者の皆さんが、電気・ガス料金の連続値上げで、このままでは倒産・廃業になると心配の声が出されています。

 

この間、江戸川区・杉並区・千葉市などで、中小企業の電気・ガス・物価高騰緊急対策として、中小事業者への電気・ガスなど光熱費値上げ分への直接支援が行われています。荒川区としても、中小事業者への電気・ガスなど光熱費値上げ分への直接支援を行うこと、答弁を求めます。

 

 

(年末年始における生活困窮者の相談窓口の設置について)

年末になると、荒川区役所の閉庁となりますが、生活困窮者にとって明日の生活も大変な状況に置かれています。生活困窮者の相談窓口を設置すること、答弁を求めます。

 

 

(生活保護制度の周知について)

生活保護は国民の権利です。『暮らしに困った時は相談を』のポスターを掲示板などに貼り出すこと、答弁を求めます。(後略)」

 

 

 

総務企画部長 答弁

 

 

「来年度の予算編成に関するご質問にお答えいたします。

 

区ではこれまで、物価高騰等の状況が区民生活や地域経済に及ぼす影響を踏まえ、補正予算の編成等を含め、迅速かつ的確に必要な対策を講じてまいりました。コロナにおきましても、国の緊急対策等を踏まえた各種給付金の迅速な支給や、福祉等のサービス事業者への支援、公衆浴場等の支援を行うなど、状況に即した対策を着実に実施してきたところでございます。

 

今後、公共施設の整備や更新に多額の経費が見込まれていることから、中長期的な財政見通しを持ちつつ、現下の物価高騰等の影響を受ける区民・事業者に対して、状況に応じた決め細やかな対策を図っていかなければならないものと認識しております。来年度予算におきましても、こうした観点に立って必要な施策を重点的に実施できるよう、引き続き編成に当たってまいります。」

 

 

 

産業経済部長 答弁

 

 

「中小事業者への支援に関するご質問にお答えいたします。

 

 

(エネルギー使用量を低減させる設備投資への補助について)

区では、令和4年度補正予算において、電気代・ガス代等を含めた固定費の削減に資する設備投資に対して補助する事業を実施いたしました。また、今年度からは(中小企業)GX経営推進支援事業を創設し、エネルギー使用量を低減させる設備投資への補助事業を開始いたしました。これらの事業を通じて、エネルギー使用量の低減など、固定費の削減を図ると同時に生産性の向上を図り、事業者の競争力の強化にも努めております。

 

 

(価格転嫁対策について)

さらに、設備投資等を通じた競争力強化に向けた支援に加えて、コストを適切に価格に反映できるよう、企業相談員等を通じて伴走支援も実施しております。

 

 

区といたしましては、一時的な給付ではなく、今申し述べたような区内事業者の経営基盤の強化に向けた支援を引き続き実施してまいります。」

 

 

 

福祉部長 答弁

 

 

(年末年始における生活困窮者の相談窓口の設置について)

初めに、年末年始の相談窓口の設置に関するご質問にお答えいたします。

 

区では、長期にわたる閉庁期間の際には、緊急を要する場合に現場で職員が対応できるよう、体制を確保しているところでございます。

 

生活困窮者の相談につきましては、早めの相談を促すお知らせを区のホームページやSNSで配信するなど、積極的な周知を図り、支援につなげているところでございます。

 

また、東京都・台東区と共同で、毎年12月29日に城北(労働・)福祉センターにおいて越年対策相談会を実施しております。今年の年末年始におきましても、引き続き同様の体制を確保し、適切な対応に努めてまいります。

 

 

(生活保護制度の周知について)

次に、生活保護制度の周知に関するご質問にお答えいたします。

 

区では、ホームページへの掲載やSNSを活用することにより、多くの区民に周知を図っているところです。

 

また、『生活保護について』という冊子を作成し、庁内関係部署の窓口や施設で配布してるほか、新たに社会福祉協議会や地域包括支援センター等の関係機関にも配布場所を拡大し、周知を行っております。なお、冊子につきましては、当初の5千部が全て配布し終えたことから増刷を行い、多くの区民の皆様に手に取っていただけるよう取り組んでおります。

 

区といたしましては、引き続きこのような形の周知に努めてまいります。(後略)」