令和5年11月21日に、令和5年度荒川区議会定例会11月会議の一般質問が行われました。

 

一般質問を行った清水啓史(しみずひろし)議員の質問「対策本部及び推進本部等の状況について」と、それに対する総務企画部長の答弁を記載します。

 

※ この記事の「」内に記載している発言は、音声を文字起こししたものです。不正確な部分がある恐れがあります。また、「」内の()は筆者注です。「」内の漢字やカタカナ、ひらがな等の使い分けは筆者の解釈によるものです。ご了承ください。

 

 

 

1:00~ 一般質問「対策本部及び推進本部等の状況について」

11:30~ 総務企画部長答弁

 

 

 

清水啓史(しみずひろし)議員 一般質問(1)「対策本部及び推進本部等の状況について」

 

 

清水啓史(しみずひろし)議員(ゆいの会)

(若者支援・健全育成調査特別委員会委員長、ゆいの会幹事長)

 

 

「ゆいの会の清水啓史です。令和5年度荒川区議会定例会・11月会議にあたり、以下質問をいたします。

 

批判的合理主義を確立した20世紀の哲学者カール・ポパー。かびゅう(誤謬?)があることを前提に、批判の重要性を指摘しています。批判と非難は違います。拓殖大学の眞鍋貞樹教授は、議会制度とは批判的精神に基づいて異なる意見に対する批判を行い、より良い政策へと陶冶(とうや)させていくものというカール・ポパーの言葉を紹介をしています。質疑を通して、施策がより昇華されることを期待しています。

 

 

 

まず、対策本部及び推進本部等の状況についてお聞きをいたします。

 

 

(対策本部及び推進本部等の必要性について)

行政に求められる要望・対応する分野は広がっているのではないでしょうか。時代と共に生じてくる新たな課題や、複数の所管にまたがる案件も多々あると思われます。

 

あるいは、自然災害や感染症など、全庁をあげて迅速に対応しなければならないこともあります。縦割り行政と言われたり、あるいは政治のスピード感が問われている中で、これまでも横断的各種対策本部を立ち上げ、その時々の社会問題等の解決に当たってきたことは、区としてのメッセージであると思います。

 

 

(対策本部及び推進本部等の見直しについて)

一方で、その各種対策本部の活動・開催状況はどうなっているのでしょうか。

 

もちろん、いつ起こるかとも分からない危機に対し、区民の生命と財産を守るため、迅速に初動体制が取れるように設置をしておかなければならないものも当然にあります。しかし、実態も無いまま、看板だけが残っている本部もあるのではないでしょうか。対策本部が役割を果たし、立ち上げた時の課題が一定解決をし、経過とともに所管で対応できるのであれば、対策本部を解散したとしても、区がその課題を軽視しているということではないと思います。

 

そもそも常時組織ではないが故の対策本部なのではないでしょうか。現在どういった対策本部が設置をされているのか整理をし、その役割を検討し、廃止や統合するものは無いのか見直しを図るべきと考えます。

 

 

(平成25年の2月会議における各種本部の見直しを行う旨の答弁について)

と以上申し上げたことは、平成25年の2月会議の一般質問で申し上げたこととほぼほぼそのままです。

 

この時の答弁は、課題の解決が一定図られ、活動を休止しているような場合がありますれば、廃止を含め見直しを行ってまいります、とありましたがどうでしょうか。

 

 

(各種本部の要綱に現在と異なる課題や役職名等が記載されている件について)

設置根拠は、法律によるもの・条例によるもの・要綱によるもの等があります。要綱等改めて拝見をしたところ、年数が過ぎて掲げた設置目的の状況には無いもの、構成員の中には収入役や現在は無い部局名・役職名が入っているものなどもあります。

 

 

(あらかわ区政経営戦略プランから本部組織の記載が無くなった件について)

あらかわ区政経営戦略プランにも、平成25年に質問したおりには横断的組織の構築の中には様々な本部組織が記載をされていましたが、今年度・令和5年度版には本部組織の記載は無くなっています。そもそも、関係するどれだけの方々が本部自体の存在を認知しているのかとも感じところであります。

 

 

災害対策本部など、いざという時のために設置しておくべきもの、あるいは新たな課題に取り組むために設置すべき対策本部もあるのかもしれません。前向きに発展的解消をしても良いのではないでしょうか。改めて、対策本部及び推進本部等の状況について見解を伺います。(後略)」

 

 

 

総務企画部長 答弁

 

 

「各種本部のあり方に関するご質問にお答えいたします。

 

 

(対策本部及び推進本部等の必要性について)

様々な行政課題や社会環境の変化等に迅速かつ的確に対応し、区民の生命や財産を守っていくことは、区の最大の責務であると認識しております。

 

こうした状況の中で、本部組織は法令等の定めによるもののほか、全庁に関わる課題、複数の部門が関わる課題等、多角的な検討が必要な課題等に直面した際に、部署・部門横断的に設置することにより、その課題解決に向けて集中的に議論し、各種の対策等を強力に推進していく役割を担っているものと考えております。

 

 

(これまでの本部の取り組みについて)

区は、こうした考え方の下で、これまで様々な課題解決のために本部を設置し、機動的に対応してまいりました。

 

直近では、3年以上にも及ぶ新型コロナウイルス感染症から区民の健康や生活等を守るために、荒川区新型コロナウイルス感染症対策本部を立ち上げ、保健所をはじめ、各分野において必要な対策について、全庁をあげて対応に当たってまいりました。

 

 

(本部の有効性や継続性等の検証の必要性について)

一方で、議員ご指摘の通り、本部の設置目的に照らしてその有効性や継続性等について検証し、適宜見直しを図っていくという視点も重要であると考えております。

 

 

(区の今後の取り組みについて)

区といたしましては、今後も直面する諸課題に対して的確に対応するために、必要に応じて本部を設置して対応に当たるとともに、現在18ある本部の中には、その後の情勢等の変化等により、本部という形式ではなく、ほかの会議体や検討組織の中で課題や対策の検討を進めているものもある現状を踏まえまして、今後改めてその設置目的や対応状況等を適宜確認しながら、再編や統合、廃止等を含めて適切に見直しを行ってまいります。」