令和5年11月21日に、令和5年度荒川区議会定例会11月会議の一般質問が行われました。
一般質問を行った北城貞治(ほうじょうさだはる)議員の質問「小・中学校の建替えについて」と、それに対する教育長の答弁を記載します。
※ この記事の「」内に記載している発言は、音声を文字起こししたものです。不正確な部分がある恐れがあります。また、「」内の()は筆者注です。「」内の漢字やカタカナ、ひらがな等の使い分けは筆者の解釈によるものです。ご了承ください。
28:30~ 一般質問「小・中学校の建替えについて」
37:20~ 教育長答弁
北城貞治(ほうじょうさだはる)議員 一般質問(8)「小・中学校の建替えについて」
北城貞治(ほうじょうさだはる)議員(自民党・次世代)
(震災・災害対策調査特別委員会委員長、自民党・次世代副幹事長)
「(前略)
最後に、小・中学校の建替えについて伺います。
(教育施設の建替えの推進について)
我が区議団では、かねてより耐用年数が迫っている学校や既存不適格となっている学校につきまして、建替えや大規模改修の実現に向け、より具体的な計画を策定し、推進することについて要望してきたところであります。
『荒川区教育施設長寿命化計画』におきましては、耐用年数でありまする建築後80年を超えない範囲で、原則として建築年度の古い教育施設から建替えを実施することとし、建替え計画策定にあたっては、学校教育における機能充実を図るとともに、総合的かつ長期的な視点を持って、人口動態を踏まえた施設の検討を行うとの方針を示しております。
先の決算に関する特別委員会におきましては、我が党の鎌田理光(かまだみちてる)議員から、学校施設について老朽化が課題となっており、建替えについて早期に具体的な計画を策定すべきとの質問に対しまして、基礎的な資料の収集及び分析を行った上で、令和7年度に策定する方向であるとの答弁がありました。現状においては、各種調査を実施しているものと伺っております。今後も必要な調査を着実に行い、正確な分析のもと検討を重ね、出来る限り早期に具体的な計画を示していただけますよう、強くお願いをしておきます。
(学校施設の標準的な仕様について)
加えて、計画の策定にあたっては、限られた財源の中でより効率的・効果的に整備を進めていく必要があり、まずは学校として必要となる機能や設備、教室等に関する整備水準を設定し、設計を行う際のベースとなり得る学校施設の標準的な仕様をあらかじめ策定をしていくべきと考えます。その上で、地域の特性を生かし、学校の特色を踏まえた計画にしていくことも必要であります。学校施設は、子どもたちが多くの時間を過ごす場であり、安全面に十分な配慮が必要であるとともに、将来を見据えた充実した学習環境を整備していくことが重要であります。加えて、避難所や地域の拠点としての役割、児童事業の展開等、学校を建替えするにあたりまして、求められる用途を明確にしつつ、コロナ禍で得た知見の反映や、プールの設備の考え方、校庭の整備方法などなど、必要な機能や設備を考慮した学校施設のイメージを可及的速やかに議会に示していただきますことを強く要望しておきます。区の認識をお伺いをいたします。
(予算規模の見通しについて)
また、学校の建替えには巨額の支出が伴うために、将来的に必要な予算規模の見通しについても明らかにしていく必要があります。近年、物価及び労務費の指数が上昇傾向にあり、建設費につきましても高騰している状況であります。具体的な建替え計画を策定していく中で、建替えを要する学校の順序や規模・建築費等を可能な限り精査し、財政負担についても予測できる範囲におきまして詳細に財政フレームに反映していくべきと考えますが、区の認識をお伺いをいたします。
以上で、老兵の第1回目の質問を終了いたします。ご清聴、誠にありがとうございました。」
教育長 答弁
「小・中学校の建替え計画に関するご質問にお答えいたします。
(小・中学校の建替え計画の策定について)
小・中学校校舎の多くは建築年数が50年以上経過していることから、長寿命化を図りながら適切な維持管理を実施しており、議員ご指摘の通り、教育委員会といたしましても、耐用年数を見据えた建替え計画を早期に策定し、計画的な建替えを実施していく必要があると認識してございます。そのため、現在計画策定に向け、建築年度の古い施設から建築規模等調査を実施するなど、建替えに必要となる資料の収集を進めており、基礎資料を分析し、効率的かつ効果的な建替えの検討をまさに進めているところでございます。
(学校施設の標準的な仕様について)
小・中学校は、子どもたちが安全・安心に過ごすことができ、多様な教育活動に対応できるよう、質の高い充実した施設内容が求められております。また、体育館等の地域利用や、学童クラブ等の児童事業、避難所としての機能も求められることから、建替えの際には限られた敷地や条件の中で必要な機能を整備する必要がございます。
議員からは、効率的・効果的に建替えを進めていくためには、設備や機能の共通となる整備水準を定め、それを基に各校の特色をデザインして設計に反映させていくべきとのご示唆をいただき、大変貴重なご意見として承りました。具体的な建替え計画の策定にあたりましては、教室や関連施設の大きさや設備、校庭や体育館などの標準仕様を策定し、学校ごとに異なる敷地条件の中で各校の特色を生かしつつ、充実した教育環境を整備してまいります。
(予算規模の見通しについて)
また、ご質問にございましたように、建替えにかかるコストの算定につきましても、諸条件を精査した上で、想定される物価上昇等を見込んだ将来的に必要な予算規模につきまして、区全体の財政運営も踏まえ、財政フレームにしっかりと反映させてまいります。
教育委員会といたしましては、小・中学校校舎の長寿命化に努めつつ、老朽化した建替えを計画的かつ効率的に進めることにより、今後とも児童・生徒が安全で安心して快適に過ごすことの出来る学校教育環境の整備・充実にしっかりと取り組んでまいる所存でございます。」