令和5年11月21日に、令和5年度荒川区議会定例会11月会議の一般質問が行われました。

 

一般質問を行った北城貞治(ほうじょうさだはる)議員の質問「介護給付費準備基金を活用した介護保険料の算定について」と、それに対する福祉部長の答弁を記載します。

 

※ この記事の「」内に記載している発言は、音声を文字起こししたものです。不正確な部分がある恐れがあります。また、「」内の()は筆者注です。「」内の漢字やカタカナ、ひらがな等の使い分けは筆者の解釈によるものです。ご了承ください。

 

 

 

9:35~ 一般質問「介護給付費準備基金を活用した介護保険料の算定について」

43:40~ 福祉部長答弁

 

 

 

北城貞治(ほうじょうさだはる)議員 一般質問(2)「介護給付費準備基金を活用した介護保険料の算定について」

 

 

北城貞治(ほうじょうさだはる)議員(自民党・次世代)

(震災・災害対策調査特別委員会委員長、自民党・次世代副幹事長)

 

 

「(前略)

 

次に、介護給付費準備基金を活用した介護保険料の算定についてお伺いをします。

 

 

(次期介護保険料について)

現在検討が進められている『第9期(荒川区)介護保険事業計画』では、令和6年度から9年度までの3年間の介護保険料が決定していくこととなります。

 

来年度の介護保険制度改正に向けまして、現在厚生労働省の社会保障審議会介護保険部会や介護給付費分科会等におきまして議論が重ねられており、訪問介護と通所介護を1つの事業者が同時に提供できる新サービスの提示や、介護職員の賃金の引き上げなど、具体的な動きも出てきています。

 

こうした報酬改定の内容は、介護保険料とも密接な関係にあり、あわせて増加し続ける介護収支の動向を踏まえますると、次期介護保険料が一定上昇することは避けて通れないと考えます。

 

 

(介護給付費準備基金の活用について)

一方で、区民は物価高騰で厳しい生活状況に直面をしているため、介護保険料の大幅な上昇は絶対に避けなくてはなりません。そのため、区にはこれまでも提案してきたところでありますが、介護給付費準備基金を適正に活用し、介護保険料の上昇を抑制していただくよう強く要望しておきます。

 

ただし、基金を全額取り崩してしまいますると、10期・11期と後年に影響を及ぼすことになってしまいます。したがって、区は9期という目先のことだけを考えるのではなくて、将来を見据えた計画的な財政運営を図り、今後もある程度基金をしっかりと確保しつつ、介護保険料の大幅な値上げを終えていくべきと考えます。

 

具体的には現在の基金の半分、10億円ぐらいの取り崩しが現実的ではないかと考えます。区の認識をお伺いをいたします。(後略)」

 

 

 

福祉部長 答弁

 

 

「初めに、介護給付費準備基金の活用に関するご質問にお答えいたします。

 

 

(介護給付費準備基金の活用について)

介護給付費準備基金は、介護保険料と介護給付期間の財政均衡を図るために設置しているものであり、計画期間の最終年度において残高がある場合は、介護保険料改定時の急激な上昇を抑制していくため、これまでも計画的に活用してきたところでございます。また、将来にわたって介護保険制度を安定的に運営していくための貴重な財源としての大切な役割も担っており、議員ご指摘の通り一定程度の残高を保持していくことが必要であり、バランスの取れた運用が求められているものと認識してございます。

 

 

(次期介護保険料について)

次期介護保険料につきましては、今後第9期介護保険事業計画を策定する中で、介護給付費の推計や国で議論されている介護保険制度の改正内容等を踏まえて、具体的な算定をしてまいります。現段階では増加傾向にある介護給付費や報酬改定の検討内容等を考慮しますと、今後の介護保険料に与える影響は非常に大きいものと考えてございます。

 

 

区といたしましては、ご質問の趣旨を十分に踏まえ、将来を見据えて基金の残高を一定程度確保しながら基金を活用し、第9期介護保険料を適正に算定するとともに、介護保険制度の安定的な運営に努めてまいります。(後略)」