令和5年9月12日に、令和5年度荒川区議会定例会9月会議の一般質問が行われました。

 

一般質問を行った清水啓史(しみずひろし)議員の質問「教員の多忙化解消について」と、それに対する教育長の答弁を記載します。

 

※ この記事の「」内に記載している発言は、音声を文字起こししたものです。不正確な部分がある恐れがあります。また、「」内の()は筆者注です。「」内の漢字やカタカナ、ひらがな等の使い分けは筆者の解釈によるものです。ご了承ください。

 

 

 

7:50~ 一般質問「教員の多忙化解消について」

11:55~ 教育長答弁

 

 

 

清水啓史(しみずひろし)議員 一般質問(3)「教員の多忙化解消について」

 

 

清水啓史(しみずひろし)議員(ゆいの会)

(若者支援・健全育成調査特別委員会委員長、ゆいの会幹事長)

 

 

「(前略)

 

3点目に、教員の多忙化解消についてお聞きをします。

 

 

(給特法について)

定額働かせ放題とも言われている給特法(公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法)については、今後国会で議論されていく方向だと思います。

 

 

(学校の役割の増加について)

一方、学校現場を抱える自治体の教育委員会としては何が出来るのか。特別支援教室・学校・学級に通う児童・生徒も増えています。また、ヤングケアラーといった問題もあります。居場所あるいは生活の場としての意味であったり、福祉であったり、学校が教育機関という以上の役割を担っていくテリトリーは、今後広がっていくのではないかとも思っています。

 

 

(教員の欠員の解消と教員の支援について)

その際、全てを学校の教員が、では無く、教員以外の人たちにも協力をしてもらう。あるいは、今ある教員の業務を減らすということもあるのかと思います。教員にとって働きやすい学校環境を作ることは、有為な先生を集めることになり、そのことは結果として子どもたちのためになると考えます。

 

『スクール・サポート・スタッフ』(教員業務支援員)の大規模校への増員といった対応や、教員欠員の状況、寺子屋(『あらかわ寺子屋))の指導員は充足をしているのか。また、今年の1月に報告をされた教育委員会主要施策に関する点検・評価には、理科の観察実験アシスタント(『理科観察実験支援員』)の指摘もありました。今年度の配置状況はどうなっているのか。未来を担う子どもたちのためにも、教員の多忙化解消に向けて、現場を知る自治体だからこそ出来ること、すべき対策をより進めていただきたいと思います。

 

 

教員の多忙化解消について見解を伺います。(後略)」

 

 

 

教育長 答弁

 

 

「教員の多忙化解消に関するご質問にお答えいたします。

 

 

(教員の負担軽減の重要性について)

ご質問にもございましたように、教員の負担軽減を図り、教員が心身ともに健康で生き生きと働ける学校を作り上げていくことは、児童・生徒に向き合う時間の確保に繋がり、授業や生活指導の充実、教育環境の向上に大きく寄与するものと認識してございます。

 

 

(働き方改革について)

教育委員会では、平成31年2月に荒川区立小中学校働き方改革プラン(『荒川区立小・中学校における働き方改革プラン』)を策定し、このプランに基づき、部活動外部指導員の配置、校務支援システムの導入、自動応答電話の設置や、Googleフォームを活用したオンラインによる調査・回答の実施など、教職員の負担軽減に向けた各種取り組みを実施してまいったところでございます。

 

 

(スクール・サポート・スタッフについて)

ご指摘いただきました『スクール・サポート・スタッフ』(教員業務支援員)につきましては、本区は東京都のスクール・サポート・スタッフ配置支援事業を活用し、人件費を東京都が負担する形で、全ての区立小中学校に各1名ずつ配置しております。一方、スタッフの複数配置につきましては、東京都の配置基準によりますと、可能な学級規模が小学校は24学級以上、中学校が18学級以上の学校となっており、本区の区立学校で基準を満たす学校は無いため、複数配置には至ってございません。

 

 

(教員の欠員の状況とその対応について)

また、教員の欠員につきましては、区立小学校において年度途中に教員が産休や育休を取得した場合に配置する産休育休代替教員が確保できず、結果として現在未配置になっている教員枠が区立小学校全体で7名生じてございます。このため区教育委員会では、習熟度別学習の授業を担当する正規教員を学級担任として配置転換することにより、学級担任の不在を生じさせない対応を行ってございます。

 

 

(理科観察実験支援員とあらかわ寺子屋の補充学習指導員の不足について)

さらに、小学校の理科観察実験をサポートする『理科観察実験支援員』や、『あらかわ寺子屋』事業における『補充学習指導員』につきましては、現在理科観察実験支援員が10校で、補充学習指導員が7校で不足している状況でございます。

 

 

(人材確保の取り組みについて)

教員を志す人材の減少や、社会的な状況を背景とした慢性的な人手不足が深刻化している中ではありますが、区教育委員会といたしましては、東京都が整備した東京都教育支援機構の人材バンクの活用や、教育委員会による公募を実施することにより、欠員の解消に向けた対策を講ずるとともに、他の自治体の事例も調査・研究しながら、安定的な人材確保に向けた対策を進めてまいります。

 

 

(今後の取り組みについて)

今後もご質問の趣旨を踏まえ、区立学校に学ぶ全児童・生徒が安心して質の高い授業を受けることが出来るよう、東京都教育委員会に教員の欠員の早期補充を強く要請するとともに、区教育委員会といたしましても、教職員の欠員解消と負担軽減に努め、教育環境の向上に尽力してまいる所存でございます。」