令和5年9月12日に、令和5年度荒川区議会定例会9月会議の一般質問が行われました。

 

一般質問を行った夏目亜季(なつめあき)議員の質問「若者支援について」と、それに対する子ども家庭部長の答弁を記載します。

 

※ この記事の「」内に記載している発言は、音声を文字起こししたものです。不正確な部分がある恐れがあります。また、「」内の()は筆者注です。「」内の漢字やカタカナ、ひらがな等の使い分けは筆者の解釈によるものです。ご了承ください。

 

 

 

31:10~ 一般質問「若者支援について」

54:50~ 子ども家庭部長答弁

 

 

 

夏目亜季(なつめあき)議員 一般質問(7)「若者支援について」

 

 

夏目亜季(なつめあき)議員(自民党・次世代)

(福祉・区民生活委員会副委員長)

 

 

「(前略)

 

それでは、最後の項目である若者支援についてお伺いします。

 

 

(民営の若者支援施設等に対する区の支援の必要性について)

先日、若者支援・健全育成調査特別委員会で区内にある民間団体が運営する施設を何カ所か視察してきました。実際にその施設が、若者の学びや交流の場として機能していることが確認できました。この施設は若者の居場所だけではなく、地域の多世代が自由に交流できる場としても機能していました。

 

運営代表者からの報告によると、寄付や助成金を駆使して活動を続けているものの、安定的な運営には行政の更なる財政支援が必要であるとの声を多く聞きました。更に、若者が抱える問題に関しては単に本人だけではなく、問題の根源である家庭への支援が求められています。この点においても、行政の後押しが不可欠です。実際に、家族への支援に対する活動へ、行政サポートがあるとありがたいという声もありました。

 

民間が行う居場所づくりの取り組みや、区内各地域に展開されている状況は、若者が地域で安心して暮らすために必要な取り組みです。これらの取り組みに対する継続的な支援を強化することを検討しているのか、区としての見解をお願いいたします。

 

 

(荒川区による若者専用の居場所の設置の必要性について)

また同様の委員会で、文京区と大田区が設置する若者の居場所となる施設も実際に行ってまいりました。文京区のこの施設は中学生・高校生を主な対象とし、自由に利用することが可能で、社会性を育む場として機能しています。談話スペースや多目的施設、音楽スタジオ、Nintendo Switchでみんなで遊ぶコーナー、3Dプリンター利用コーナーなど、クリエイティブな感性が磨かれるような充実した設備が整っており、そこに居た若者たちも楽しそうに過ごしていました。

 

荒川区では現状、このような若者専用の居場所というのはありません。今回、新たに若者支援・健全育成調査特別委員会が設立され、若者たちへの支援策を強化していく上で、荒川区としても若者に居心地の良い居場所を提供することが必要だと考えています。文京区や大田区が若者のための施設を設けるように、荒川区でも迅速に施設を整えるのは場所や人材の確保上すぐには難しいかもしれません。なので、まず区内各所にある多世代施設『ふれあい館』を活用し、若者が来やすくなる工夫をしていただきたいと思います。

 

また、若者と言うと範囲が広いため、文京区のなどのように中高生などの10代に特化、もしくは20代から30代のみの年代に特化した取り組みや整備が必要だと思っています。区としては、どのようにお考えでしょうか。

 

 

 

本日、4つの重要な項目についてお尋ねさせていただきました。西川区長を初めとする関係理事者の皆様、前向きなご答弁を心よりお待ちしております。これにて、私の一般質問は終了させていただきます。ありがとうございました。」

 

 

 

子ども家庭部長 答弁

 

 

(若者の居場所づくりへの更なる活動支援について)

初めに、若者の居場所づくりへの更なる活動支援に関するご質問にお答えいたします。

 

若者支援における若者の定義には法令等で定められたものは無く、一般的に15歳から30代とされており、年齢層が幅広く、年齢や個々のニーズに応じた若者支援策を展開していく必要があると考えております。

 

民間が運営する若者の居場所は現在区内に7か所あり、一般社団法人や任意団体が運営を行っております。居場所の中には若者だけでなく、小学生や高齢者も参加可能な多世代が交流できる居場所もあり、地域の交流拠点としての機能も果たしているところです。こうした居場所の運営にあたっては、議員ご指摘の通り、各種財団の助成や寄付、そして私財も投じているといった状況であり、継続的かつ安定的な運営が居場所づくりの課題となっております。

 

今後につきましては、区の補助制度について柔軟で活用しやすい制度となるよう見直しを図るとともに、運営スタッフの人件費等の事業経費を初め、保護者に対する支援も含めた包括的な補助制度について検討してまいります。

 

 

(若者に特化した居場所づくりについて)

次に、若者に特化した居場所づくりに関するご質問にお答えいたします。

 

『子供・若者白書』では、居場所の数は子どもや若者の自己肯定感や充実感の高まりなどと相関関係があるとの調査結果が報告されており、身近な地域において子どもや若者の居場所を確保していくことは、区としても重要な課題であると認識しております。

 

現在、区内の若者の居場所として、『ふれあい館』において中高生を対象とした勉強やスポーツなど自由な活動の時間を設置しているほか、民間の団体においては学習支援やボードゲーム等の遊びや読書を通じた仲間づくりなど、多様性に富んだ居場所づくりが進んでおります。

 

議員ご指摘の通り、区として若者のための施設を直ちに整備することは難しいものの、ふれあい館を初め、ゆいの森あらかわや地域の図書館、スポーツセンター等の既存の施設を活用することで、若者の居場所としての取り組みを展開できるものと考えております。

 

区といたしましては、委員ご提案の趣旨も踏まえ、公共施設の更なる活用を図っていくとともに、利用にあたっては年齢層を区分けするなどの工夫も図りながら、若者が学校や家庭、地域社会から孤立することなく、身近な地域において居心地の良い居場所を確保できるよう、若者の声を聞き、若者の居場所づくりの一層の推進に努めてまいります。」