令和5年6月28日に、令和5年度荒川区議会定例会6月会議の一般質問が行われました。

 

一般質問を行った山本剛(やまもとごう)議員の質問「デマンド交通について」と、それに対する土木担当部長の答弁を記載します。

 

※ この記事の「」内に記載している発言は、音声を文字起こししたものです。不正確な部分がある恐れがあります。また、「」内の()は筆者注です。「」内の漢字やカタカナ、ひらがな等の使い分けは筆者の解釈によるものです。ご了承ください。

 

 

 

0:50~ 一般質問「デマンド交通について」

12:15~ 土木担当部長答弁

 

 

 

山本剛(やまもとごう)議員 一般質問(1)「デマンド交通について」

 

 

山本剛(やまもとごう)議員(ゆいの会)

 

 

「ゆいの会の山本剛でございます。本日3点の枠で質問させていただきます。生まれ育ちました荒川区で議員として貢献させていただくにあたり、どぶ板を踏むつもりでやってまいります。皆様のご指導よろしくお願い申し上げます。

 

 

 

一つ目、町屋地区を想定したデマンド交通について、区の展望をお尋ねいたします。

 

 

(コミュニティバス「町屋さくら」廃止の影響について)

昨年3月末にコミュニティバス町屋さくらルートが廃止されて以来、町屋5丁目、6丁目のルート沿いの住民の方々は、尾竹橋通りや電化通り(旭電化通り)に歩いて出てバスを捕まえざるを得ない状況でございます。その間、細い街路は自転車の通行も多く、また町屋さくらルートの通っていたルートは車通りの激しい反面、歩道はごく狭い状況でございます。高齢者はもちろんお子様や障がいのある方など、いわゆる交通弱者に厳しい状態が続いており、地域の方々から運行の復活を望む陳情が出されたことは理解できるところでございます。

 

 

(区の関与について)

区は町屋さくら廃止が決まった時点より代替の交通手段について検討し、7月の3日から来年3月にかけタクシー事業者によるデマンド交通の実証実験が行われるようでありますが、区はどのように関与をされますか。実験が不調に終わるようなことがあれば、区としてはさらなる代替の交通手段について検討が必要になると思いますので、良い結果が得られるようにしてください。

 

 

(区内全域の交通弱者対策としてのデマンド交通の検証について)

今回の実験は単なる町屋さくらの代替にとどまらず、区内全域における今後の交通弱者対策を検討する上でも大切な取り組みであると考えます。そのような視点を是非とも区と事業者で共有し、費用を含めこの事業の中でしっかりと検証がなされることを強く願います。区の見解をお聞かせください。(後略)」

 

 

 

土木担当部長 答弁

 

 

「最初に、デマンド交通の実証運行に関するご質問にお答えいたします。

 

 

(町屋さくら廃止の経緯について)

区内のコミュニティバスにつきましては、議会でのご議論等を踏まえて、事業者の自主運行を基本とする考え方のもと、平成17年から事業を行ってまいりました。さくら、汐入さくらに続き平成24年に運行を開始した町屋さくらにおきましては、当初から利用客数が伸び悩んだため、ルートの変更や減便を行い、収支の改善に努めてまいりました。しかし、ここ数年は新型コロナウイルスの影響によりさらに利用客数が減少し、やむなく令和4年3月をもって廃止となりました。

 

 

(町屋さくらの代替としてのデマンド交通について)

区ではこれを受け、代替の交通手段を持たない高齢者等を対象とした、福祉的な交通手段について検討を進め、本年2月3日の建設環境委員会における2回目の町屋さくらに関する陳情審査の際、タクシー車両及び予約システムを活用し、利用者のニーズに応じて運行するデマンド交通の運行計画案をご報告させていただきました。その後も関係事業者と検討を進め、タクシー事業者との具体的な運行内容の調整、予約システムの修正、乗降ポイントについての警察協議、及びその他交通機関との調整を行った上で、5月12日に荒川区地域公共交通会議を開催し、この運行計画案について了承を得た後、速やかに国土交通省に道路運送法上の申請手続きを行い、先日認可をいただいたところでございます。

 

区といたしましては、1人でも多くの方に今回の取り組みを知っていただき、多くの方にご利用いただくことが、より正確な利用者ニーズのデータ収集につながると考えており、現在は沿線の自治会等を中心に実証運行の周知を図るとともに、7月3日の実証運行開始に向け、会員登録サイト及び予約サイトの立ち上げや乗降ポイントの整備など、関係事業者と連携を図りながら鋭意準備を進めているところでございます。

 

 

(区内全域におけるデマンド交通の実現可能性の検証について)

また、この度の実証運行につきましては試験的な要因もあることから、車両借上費、運転手人件費、燃料費、予約システム費、予約オペレータ費等の運行に関わる経費から運賃収入を差し引いた額を区が負担するものとしておりますが、このような取り組みは町屋さくらの代替手段の検討だけに留まらず、今後の区内全域における公共交通の在り方の検討にも資するものと考えております。つきましては、引き続き利用促進を図り、案内の各戸配布など事業のPRに努め、実証運行を通じて正確な利用ニーズの把握、既存交通事業者との差異の確認、及び採算性や継続性の検証を行い、本格運行の実現可能性や費用負担のあり方についてしっかりと検討していきたいと考えております。(後略)」