他人の痛みは… | あらかんスクラップブック

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60代の哀歓こもごも

コロナは非常事態宣言。 最高気温は35度超えで、熱中症警戒アラート。正午あたりに外に出たら、太陽が真上で、日陰がほとんどなく、熱したフライパンの上を歩いているよう…。

パラリンピック、高校野球…。

こんな暑さでやってるほうも、それをTVで観ているほうも狂気じみている。

 

BBCワールドニュースで、アフガニスタン情勢の特集をやっていた。

日本のメディアは、タリバン=テロリスト一色だが、BBCはまだ歴史を踏まえた検証をやっていた。 タリバーンは、元はソ連のアフガン侵攻による混乱をイスラム原理主義で収束させようとした学生運動にすぎなかった。

アフガニスタン、中央アジアの小さな緑多い農業国。

こんな小さな国を強国がよってたかって支配しようとする。

古くはイギリス、そしてソ連、2001年の9・11のあとは、アメリカが介入してきた。 他国の支配で守られてきたアフガン政権は腐敗し、なんと脆弱であったことか…。 まるでオセロをひっくり返すように次々とタリバンによってあっという間に制圧されると、大統領は早々にUAEに逃げ出した。人々もタリバン支配への恐怖からどんどん国外逃亡し、それを阻止するためか、空港で自爆テロのニュース。

一方、北部では制圧できていない地域から、かつての北部同盟、故マスード将軍の息子が決起したとか…。

テロへの制裁や人道的介入というウソで固めた軍事力行使のなんとむなしいことか…。 中村哲さんのアフガニスタンの平和を思い浮かべる。

灼熱の日陰のような存在。 緑が人々を守ってくれるのだ。 内戦で荒廃した土地に緑と水を!

 

アフガニスタンの15歳以上の女性の識字率は18%(男50%)、子どもの半数が学校に通っていない。その60%が女の子。 児童婚の問題もある。 タリバンが政権を去ってから、エリートの女性たちは宗教による差別を少しずつ跳ね返してきた。下院では、クオーター性があって、249議席の27%が女性だ。 意思決定の男性支配に脅迫をものともせず、戦う女性ネットワークもある。国内にいる6000人ものイスラム教指導者(男)に、女性の権利を啓蒙したり、タリバンに代わるイスラム教の法解釈をする研究者もいる。 

イスラム教の価値観を信じる一般の女性たちが、教育を受け、仕事に就けて、古いイスラム法を克服できるようになるのは、案外あっという間かも知れないと思ったりする。 タリバーン、マスードの息子、女性のネットワーク、中村哲さんの緑と水を受け継ぐ人々…で、内戦のない新生アフガニスタンができないだろうか?

 

それにしても暑い。 かき氷が食べたい。

今ごろ、氷点下40℃になる真冬の南極では、父親の皇帝ペンギンの足の上でふ化したひなが孵り、母親の帰還を待つ頃。

母親が戻り、子と両親からなる核家族は、子どもが成長すれば、年末には揃って海へと旅立つ。

飛べない鳥、ペンギンが生きていけるのは、棚氷が欠かせない。 海中で産卵、子育てはできない。

子どもは、5年後には同じ場所に戻って、子を産み育てる。

氷が残っていればのハナシだが…。

 

炭素排出量が減らなければ、2100年までに地球の平均気温は5℃上昇するという。 そうなれば、南極の皇帝ペンギンのコロニーの4分の3以上が消滅するといわれている。 ペンギンと氷は運命共同体。

 

 

 

過酷な状況を生き延びようとしている人々、動物たち。

それをさらに追い詰めようとしているやつが、涼しい顔でいてはいけない。鉄板のように暑い目にあって苦しめと…、鳴いているセミがジージーと責め立てる。

 

家に帰ったら、戦後最悪の弾圧を受けている「関西生コン」労働組合のドキュメンタリー映画のチラシが届いた。

他人の痛みはわが痛み(関西生コン労組委員長 武建一)

映画のタイトルは「棘2」である。

最強の労働組合のハナシである。