ポピー
昨日は、暑い一日だった。
ご近所から、手作りのところてんをいただいたりして、いよいよ半袖の季節。
でも、コロナが…、 ちゃんとした春を楽しめなかった暗い晩春。
花の名所では、人が集まるといけないというので、咲きかけた蕾をバッサバッサ、斬って捨てるという光景が、TVで流れた。
あぁ~、なんてことを。
1年に1回くらいしか咲かないものを…。
チューリップ、 ツツジ、 バラ、ユリ、フジ、これから、アジサイも?
長い冬を耐えて、咲こうとしていた花たち。 丹精込めて育てた人たちは、涙なくしては剪定ばさみを握れなかっただろう。
TVのコメンテーターは、「花はまた咲きますが、人の命は二度とはもどりません」と、決然と言い放つ。
花と人間の関係ってなんだろう。
日本人はとりわけ、花が好きじゃなかったのか?
生け花という文化がある。 仏壇に供花したり、床の間にも花がないのはさびしい。
書道との関係でいえば、古今和歌集、万葉集…。どれだけ花を詠んだ歌であふれかえっているか…。
花を切ることはない。 マスクをしてソーシャルディスタンスを守って、来年は咲かないそれぞれの一輪を愛でることができなかったのか…、
悔しくてならない。
私の畑では、今年も春の花がつぎつぎと咲き、例年に増して散歩の足を止めて、話し込む人が多かった。 花に慰められ、花に思いを託し、花を大事にする。 STAY HOMEのおともに、花を切って差し上げた。
うれしいことに、今年は「何か野菜をつくろう」とか、「種をまいてみたい」という人が多い。 アドバイスすると、道具もそろえて、たびたび私のところに相談にみえる。
ホームセンターでも、苗や土の売れ行きがいいそうだ。
コロナのおかげで、時間ができて、それをただ消化するのではなく、何かを育てて、共に生きようとする。
花が、「自然」を人間に運んでくれたのかも知れない。
毎日、水をやることだけで、自然を取り戻す。
あんなにバッサリと切り捨てられたものが、まだ、愛をもって応えてくれようとする。
どんなに痛い目にあっても、復讐ではなく、愛をもって応えなければならない。 愛は愛を連鎖する。 ジャン・バルジャンを変えた、レ・ミゼラブルのミリエル司教みたいだね。
今年の花は、人を変革するかも知れない。
私の畑の、1㎝にも満たない小ささだけど、今年も咲いてくれた
大好きな花たちを紹介しよう。
宿根アマ
カスミソウ
アルメリア
カンパニュラ
ロベリア