マインドフルネスは「いま、ここ」に意識を向けるあり方のことです。

 

瞑想には宗教的なイメージがありますが、マインドフルネスは宗教性を除外したアプローチです。

 

マインドフルネスは科学的なエビデンス(根拠)も示されており、医学的な効果も確認されています。

 

今回マインドフルネスについて簡単に紹介します。

 

 

  マインドフルネスの効果

 

マインドフルネスには集中力を高めて仕事のパフォーマンスを改善する効果があり、グーグルやナイキ、アップル、フェイスブックなどの大企業がプログラムを取り入れています。

 

不安やうつ、不眠、疲労、痛み(慢性疼痛)の改善といった医学的な効果も報告されています。

 

医学論文も下のグラフのように最近激増し、2022年には3897件もの論文が発表されています。

ストレスの軽減にも役立ち、ストレスに関連した健康問題の改善に役立ちます。

 

さらに幸福感を高める効果もあり、人生の質の向上につながります。

 

 

  マインドフルネスの基本

 

マインドフルネスの基本は軽く目を閉じて姿勢を正し、呼吸に意識を向けることです。

 

人間の身体と心は密接につながっています。

 

心を直接整えることは難しいですが、姿勢や呼吸を整えることで心も落ち着いてきます。

 

必ずしも座禅を組む必要はなく、椅子に座った状態で姿勢を正しゆっくり呼吸に集中します。

 

雑念が湧いてくるのは当然のことなので、あまり気にせず再び呼吸に意識を戻します。

 

毎日時間を決めて数分実践するだけでも少しずつ効果を実感することができます。

 

 

  マインドフルネスの応用

 

マインドフルネスの基礎がつかめたら、日常の場面にも応用していきます。

 

マインドフルネスの応用法を3つ紹介します。

 

 

 マインドフルウォーキング

 

忙しい人には歩くときにマインドフルネスに取り組むのがおすすめです。

 

まずは歩行時の足の感覚に注意を向けます。そして目に映る景色や身体に吹くそよ風、鳥の鳴き声などの五感に意識を向けます。

 

運動による健康効果に加えて、心を安定させる効果が期待できます。

 

マインドフルネスウォーキングによってポジティブな感情が強化されることが報告されています。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27642373/

 

 マインドフルイーティング

 

早食いの人は太りやすいことが医学的な調査で明らかになっています。

 

マインドフルイーティングでは食べることにしっかりと意識を向けることで心の安定だけでなく、肥満の予防や改善にも役立ちます。

 

食べ物のにおいや味、食感に意識を向けながらゆっくり食べることを習慣にします。

 

マインドフルイーティングについての医学研究は最近増えており、複数の研究をまとめたレビューも報告されています。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36045097/

 

 

 感謝のマインドフルネス

 

感謝の習慣は健康にも効果があり、複数の論文を集めて解析したシステマティックレビューも発表されています。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34762326/

 

ストレスやうつを減らしたり、血圧や血糖値を改善して健康寿命を延ばす効果も期待できます。

 

感謝のマインドフルネスでは、目を閉じて呼吸に意識を向けながら、最初は身近な大切なひとへの感謝の言葉を口にします。

 

次に他の家族や知人にも感謝の思いを向け、さらに苦手な人にも感謝を広げていきます。

 

 

おわりに

 

マインドフルネスについて簡単に解説しました。

 

これだけの効果が期待できるにもかかわらず、医療保険の対象にはなっておらず取り組んでいる医療機関もほとんどありません。

 

現状では書籍を参考に自分で取り組んでいくのがよいと思います。

 

以下の本がとても参考になります。