慶一は、テニス🎾ばかりしていました。1989年頃だと思う。プリンセス・プリンセスのダイアモンドが流行っていたから。バブル景気で日本🇯🇵が浮かれていた。土地が高値更新していた。そのタイミングで売れた農家は、良かった。でももっともっと思っていた農家は、売り損ねていた。そんな時期。慶一は、独身。勤務先は、藤岡市農協美土里支店営農経済部。仕事は、つまらない。近くにテニスクラブが出来た。慶一は、家でもテニス漬けの毎日。BS放送から。ウィンブルドンを毎日見ていた。緑色の芝生が映し出された。カセットデッキに録画した。夜中じゅう見ていた。

当時は、ステファン・エドバーグとボリス・ベッカーが毎年のように決勝戦で戦う。慶一は、エドバーグの大ファンでした。女子選手では、マルチナ・ナブラチロワやクリス・エバートがまだいた。雑誌も全部購入した。スマッシュ。テニスジャーナル。読書は、村上春樹の「ノルウェーの森」と村上龍の「快楽のテニス講座」。当時は、わずか二冊の本を1年間読んでいた。またテニスは、うまくならない。もう。30歳近く。まわりから。今からテニスを始めても。国体にも出られないだろうに。馬鹿だなぁと言われた。確かにそれは事実だけど。それでも何かに夢中になることは、それはそれで。あらゆる面でプラスにはなりました。また慶一は、テニスクラブのオーナーの娘さんが好きでした。だから毎日通っていたのだろう。

たとえば。動くこと。体重が70キロから65キロまで落ちた。また。情熱もありました。ヨネックスのR360が輝いて見えた。特に平日のナイターテニスは、楽しかった。時間は、夜の7時から9時まで。確か。かならず参加していたのは、中村君と立川さん。それに慶一の3人。毎日毎晩顔を合わしていた。先生の奥さんも呆れていた。よくくるねと言った。みんなもう合わないから。今何をしているのだろう?と思い出されます。日曜日でもテニスをしていれば。孤独感が薄れた。毎日。朝から晩までテニスをしていた。そして夜は、ぐっすりと眠れました。いつかは、テニスのコーチになろう!それが一番の夢でした。しかしながら。生まれてた時から。特に小学校の時から。スポーツは、苦手だった。たとえば。50メートル走とか。確か10秒以上。担任の先生も呆れるくらい遅い。クラスでいつもゲッピ。秋の運動会のリレーも小学校の6年間。一回も出た事なし。スポーツが好きなのですが。脚が遅い。テニスは、やはり基礎体力。徐々にテニスから離れた。もともと読書と音楽が趣味なんです。だからテニスから離れるとまた。音楽や読書の生活に戻ったが。前よりもずっと読書が深くなった。と思う。それまでは、日曜日になるとたったひとりで新宿東口の紀伊国屋書店に通ったりしていたから。高崎線に乗って赤羽駅で乗り換え。立ち食い蕎麦を食べたりしていた。その時期に比べると少しだけ進歩していました。テニスクラブのオーナーの娘さんが結婚してしまったら。慶一は、情熱が無くなった。目の前が真っ暗になった。恥ずかしさもありました。惨めさもありました。一瞬で気が抜けてしまった。そんな思いが今でも忘れられない。

でもテニスから離れると現実的には、友達すべてが減る。正直言って。糸の切れた凧になった。高崎市のテニスクラブに通った。数ヶ月でまたやめた。また風俗にもコッソリ通った。独身だから勘弁してください。いつのまにか35歳になっていた。

母親と一緒に藤岡市緑町の高橋さん宅に行った。警察官でお見合いの仕事もしていた。

そしてお見合い結婚。誰でもいいや。とそんな感じです。今でも鮮明に覚えているのは。広瀬香美のロマンスの神様を聴きながら。前橋市民ホールのお見合いパーティに出かけたこと。もうみんな結婚していた。慶一だけ独身でした。友達も無く。この時ほど。絶対的な孤独感を感じた事は、無い。35歳。新井慶一は、これで終わりです。そんな気持ちでした。大切な時期をテニスで無駄にしてしまった。そう思った。だからお見合い結婚出来た時は、嬉しかった。もうそれから。25年以上経ちます。相変わらず。慶一は、たいした事をしてない。リストラが2回。

まぁ!それでも健康でいられるだけでも。テニスのおかげだと思う。テニスクラブに通っていた時期にも。良いなと思った女性もいました。それは中里が紹介してくれた。藤岡郵便局に勤めている女の子でした。頭が良さそうで。テニスが好きで。偶に会うだけだから。結婚まで行かない。話しもろくすっぽしてない。でも何故かその女性が良かったかもしれないと思うことがあるが。手に握ったことが無いぐらいだから。無理な話しですね。だも。ある日。お見合いした後に。その女性とテニスコートで出会う。ダブルをしていたら。突然だけど。前衛の慶一に強いボールを打って来た。慶一は、驚いた!なんとなく。その女性は、頭にきたのだろう。と思った。そんなと思った。だって。結婚するには。デートもしてないし。それ以上のこともないし。 深い関係もないし。もちろん。キスもしてないし。慶一は、何にもしてないのに。あちらこちらの女性から嫌がらせを受けた。モテていたのかもしれない。何故かというと。真面目だから。また友達の中里も真面目でした。それも大きい。中里さんの友達ならば。安心だから。と言われたこともある。