【北新地放火殺人】事件から1か月 谷本容疑者は『拡大自殺』か 孤独感を深めて多数の人を巻き添えに

1/17(月) 18:59配信

読売テレビ



 北新地放火殺人事件から17日で1か月。谷本盛雄容疑者とは、どのような男だったのか。取材から見えてきたのは、年月とともに孤立し、孤独感を深めていく様子だった。事件を起こした谷本容疑者の心理状態に迫る。

 事件直前、谷本容疑者が住んでいたのは、約30年前、当時の妻と2人の息子と暮らしていた大阪市西淀川区の家だった。

 近所の酒店の店主が当時の谷本容疑者の印象を「引っ越してきた時に、ビールを飲むということでビールの配送をしていた」「ちょっと赤ら顔で歩いている印象があるけど、ぐでぐでだったとか、そんな印象はなかった」「道であった時も笑顔で『こんにちは』って挨拶していたし、控えめな感じの方という印象はあった」と語った。

 その後、谷本容疑者は妻と離婚。2011年には、当時25歳の長男に対する殺人未遂事件を起こす。

 大阪地裁が谷本容疑者に下した判決は、懲役4年の実刑。「離婚後の孤独に耐えかねた被告人が、自殺の踏ん切りをつけるため、長男らを道連れに殺害しようと考えた」と指摘した。

 谷本容疑者の元勤務先の関係者は「みんなに縁を切られて、親にも兄弟にも子どもさんにも。一人ぼっちになった」「そういう心の悩みを打ち明けています」と話した。

 そして、刑務所を出て6年後、谷本容疑者は、かつて家族と暮らした家に火をつけ、その直後、クリニックで事件を起こしたとされている。

 谷本容疑者の凶行について、大阪府警は、大勢の人々を巻き込み、自殺を図る『拡大自殺』だった可能性が高いとみている。

 近年、こうした『拡大自殺』は後を絶たない。2019年、神奈川県川崎市で、小学生らを殺傷した男が直後、自ら命を絶った。また、昨年10月、東京・京王線の電車内で起きた殺人未遂事件では、逮捕された男が「死刑になりたかった」と供述した。

 専門家は、自殺願望を募らせたうえでの犯行という点で『拡大自殺』にあたると指摘する。

 さらに『拡大自殺』は、誰もが抱く恐れのある心理状態だとして、警鐘を鳴らしている。

 精神科医の片田珠美さんは「こういう事件を起こすのは、頭のおかしい特殊な人だという感覚は捨て去らないといけない。(谷本容疑者は)結婚もして子どもをつくって、ある時期までは、幸せな生活を営んでいた。ところが離婚や退職という喪失体験で犯罪を犯して。そういう喪失体験に直面する機会は誰にでもある。喪失体験に直面した時に、それが破滅的な喪失にならないように、サポートを社会全体でする必要がある」と指摘している。

 死を望む人の声に、耳を傾け続ける人たちがいる。自殺を防ぐための電話相談だ。

 相談の中には『拡大自殺』をほのめかすものが、年に数件は寄せられるという。

 大阪自殺防止センターの北條達人理事長は「今から人を殺して自分も死ぬ、という言葉には、その裏側にそれくらい追い詰められている、その人の苦しさがあるんだろうなと感じる。こういった窓口で、怒りとか苦しみとか、今から人を殺したいという思いすらも、吐き出せるからこそ、思いとどまれているのかなと。事件の抑止力の一端も、もしかしたら担っている」と語った。



https://news.yahoo.co.jp/articles/1a08322cd3b563b14813bf777c9150827216f79a





大阪ビル放火殺人、口座残高ゼロ 17日で発生1カ月、拡大自殺か

1/16(日) 16:05配信

共同通信



谷本盛雄容疑者

 25人が犠牲となった大阪・北新地のビル放火殺人事件で、殺人と現住建造物等放火の疑いが持たれている谷本盛雄容疑者(61)=昨年12月30日に死亡=の口座には1円の残高もなかったことが16日、捜査関係者への取材で分かった。所持金もわずかで、生活が困窮し交友関係も乏しい中、大勢を巻き込む「拡大自殺」を図ったとみられる。

【写真】クリニック入口付近 構造上、逃げ道なかったか

 事件は17日で発生から1カ月。容疑者から供述を得る機会は失われ、動機解明は難しいが、大阪府警は生活実態などの捜査を尽くし、年度内にも書類送検する方針。ただ、犠牲者が多く遺族らへの捜査結果の説明には時間がかかりそうだ。



https://news.yahoo.co.jp/articles/236d06f85e8699008a71f221a5f639ebed7f0660





「死ぬ時くらい注目されたい」北新地ビル放火殺人…容疑者スマホ解析で判明した言葉

1/14(金) 17:37配信

MBSニュース



 去年12月に大阪・北新地で起きたビル放火殺人事件からまもなく1か月が経ちます。死亡した容疑者の男のスマートフォンを解析した結果「死ぬ時くらい注目されたい」などといった言葉の検索履歴が残っていたことがわかりました。

 12月17日に大阪・北新地の心療内科クリニックが放火された事件では、25人が死亡し、1人が今も重体です。発生からまもなく1か月を迎えますが、1月14日にも現場には手を合わせる人の姿がありました。


 (近くで働く人)

 「本当に悲惨な事件だったので、亡くなった方に対して、いたたまれない気持ち。ここを通るたびにいつも思っている」

 放火と殺人の疑いが持たれている谷本盛雄容疑者(61)は12月30日に死亡しています。


 大阪府警が1月14日に発表した捜査状況によりますと、谷本容疑者は2010年から定職についていなかったとみられ、大阪市内に所有する住宅の賃貸収入を得ていましたが2020年9月に途絶え、金融機関の口座の残高はゼロだったということです。

 さらに現場から見つかった谷本容疑者のスマートフォンを解析した結果、「死ぬ時くらい注目されたい」「大量殺傷殺人」などといった言葉の検索履歴が残っていたほか、スケジュールアプリには事件を起こす半年前の6月14日に「踊り場の扉の寸法をとる」という記述が残されていたということです。

 また今回の発表で、現場のビルのゴミ箱に容疑者の家の鍵などが捨てられていたほか、事件前日の夜にガソリンを入れた容器を現場付近のコインロッカーに隠していたことも新たにわかりました。

 一方でスマートフォンの通話履歴や聞き込みなどを行ったものの、警察はこれまでに谷本容疑者の交友関係は確認できなかったとしています。また谷本容疑者はクリニックに5年前から100回以上通院していたことも今回わかりましたがトラブルは確認されていないということです。

 警察は今後も捜査を継続して犯行に至った経緯を詳しく調べて、容疑者死亡のまま殺人などの疑いで書類送検する方針です。



https://news.yahoo.co.jp/articles/ac36dbb38980c86245a64732b1d042c467a5bffa