「山林開発によるパイピング現象か」専門家が読み解く熱海の土石流の発生メカニズム 

「同様の危険がある小流域は、日本列島に少なくとも数十万箇所はある」

鈴木款

2021年7月5日 月曜 午前11:40



静岡県熱海市の伊豆山地区で3日午前10時半頃発生した土石流。県などによると少なくとも約130棟の建物が被害を受け、これまでに3人の死亡が確認された。なぜこの地区で大規模な土石流が発生したのか。そのメカニズムを1990年代より「流域思考」を提唱してきた慶應義塾大学名誉教授の岸由二氏に聞いた。

岸由二慶応大学名誉教授。新刊「生きのびるための流域思考」を今月7日に出版


1秒で30トンの水が合流地点に流下か

――まず土石流がなぜこの地区で起こったのか、岸さんはこの原因をどう見ていますか。

岸氏:
大量の雨が降ったことはもちろんありますが、この地区の地形が要因と思われます。まずこの地区では3本の沢から雨水が流れ込み、その合流地点となるのが土石流災害の映像にあった酒店のある場所です。そこから伊豆山港まで逢初(あいぞめ)川という長さ1300メートル程度の2級河川となって海まで水が流れ込んでいきます。

3本の沢の合流地点が映像にある酒店(赤い建物)周辺となった(視聴者撮影の映像より)

しかしこの河川は暗渠(※)なので、地元でも川が流れているのを知らない住民も多かったのでは無いでしょうか。

(※)地下に設けられていて外からは見えない水路。


安否不明者の救助活動が続く現場

――複数の沢から流れる水が集中したことで被害が大きくなったと?

岸氏:
合流点から上手の集水域(流域)全体の面積は130ヘクタール程度と推定されるので、線状降水帯によって1時間100ミリくらいの雨が継続して降ると1秒で30トンの水が合流点に流下する計算です。東側の小流域(下図A)から流下した大量の土石によって、おそらくは合流点付近で川がせき止められ、自然ダムのような障壁を作ってしまい、中央(B)、ならびに西側(C)の小流域からも流れ込む洪水による増水で土石の自然ダムが崩壊して、さらに大きな土石流になって下手まで流下したのかもしれませんね。


岸氏が作成した流域を示す地図
     


山林開発によるパイピング現象が原因か

――その土砂流の起点はどこと推定されるのでしょうか?

岸氏:
上空からの映像で見ると、東側の小流域の奥で、土地がえぐられたように崩壊している地点があります。ここの過去の様子をグーグルマップなどで調べると、残土(※)の集積地として谷を埋めて整地した場所ではないかと思われます。

その際、谷を流れていた小川を埋めて暗渠にしたと思われます。たぶん3本の小流域のうちこの沢だけは谷筋の中に住宅地が無いので、そうしたのでしょう。ツイッターの映像では土砂がえぐられた場所から、まさに水が噴き出しているのがわかります。

(※)土木工事等で発生する不要の土


(ツイッターに投稿された視聴者撮影映像より)


――山林開発によって小川を埋めたことが原因になっていると?

岸氏:
小川を埋めても土中に水路は残るので、豪雨が来ると地中にしみ込んだ水が圧力となって斜面全体が爆発するように崩壊するパイピングという現象が起こります。

詳細な調査報告をまたないといけませんが、多分ここでパイピングを起こして、土砂を一気に吹き飛ばしたのではないかと思われます。土石流で流れてきた土砂を見ると流木が見当たらず、山体崩壊(※)ではないと。そこで土砂だけを流下させる場所を山の上に探してみたら、残土の集積地がえぐられていたということです。

(※)脆弱な地質条件の山体の一部が地震などによって大規模な崩壊を起こすこと


県によると流出した土砂は約10万m3と推定される(提供:静岡県)

流域という地形を知ることで身を守る

――こうした隠れた水路によるパイピング現象が土石流を引き起こしたということですか。

岸氏:
こうした危険のある小流域は、たぶん日本列島に少なくとも数十万箇所あるとも言われており、熱海のように3日間で約400ミリの凄まじい雨が降ったら、どこでも崩壊する危険性があります。

またこの地区の伊豆山は比較的緩やかな傾斜ですが、実は土石流災害は、崖崩れとは全く別で、むしろ緩やかな傾斜地で起きます。なぜなら急傾斜だと水や土砂がたまりづらいからです。

この地区は熱海市が土砂災害の警戒区域に指定していましたが、市がこれまでどのような対応を取ってきたのか疑問です。


安否不明者の正確な人数が把握できていない状況の中、救助活動が続く

――救助活動が続いている状況の中ですが、今後の警戒も含めてこうした被害に遭わないために我々一人一人が何をすれば良いのか教えてください。

岸氏:
まず自分がどういう水系のどんな場所に住んでいるかを確認することです。これは行政に聞いてもわかりません。自分の居住地に降った雨の水が流れ込む川を確認し、一度源流まで自力で行ってみる。そうすると水や土砂を運んでくる地形がわかります。

その流域に土砂が崩れそうな場所があったり、河川の整備が進んでいなければそこに住むのは止めるという判断があっていいということです。知っていれば逃げられます。流域という地形、生態系の全体で暮らしの安全を考える、流域思考がいまこそ必要なのです。

――ありがとうございました。

(インタビュー日時:2021年7月4日14時)



https://www.fnn.jp/articles/-/205363?utm_source=headlines.yahoo.co.jp&utm_medium=referral&utm_campaign=relatedLink








この二つの画像は『崩落前と崩落後』の『熱海市産業廃棄物集積場』の写真です。

この『熱海市産業廃棄物集積場』という表示は『Google Map』によるものですので、『熱海市』などのお役所でどう呼んでいたのかはハッキリとはしません。


それと一連の記事ではどうも『産廃業者』が『産廃』を使って『盛り土』をし、『水抜きの為の施工』もちゃんとはやっていなかったようです。

この『産廃による盛り土』は問題視されていて、『行政指導』も行われていたようです。

その後、『宅地』にすべく『階段状にして平らな面を作った』ようですが、住宅などはまだ建設されていなかったようですね。

どうも、この時点では既に『崩壊の可能性はある』とお役所も思っていたようで『植林』を指示したみたいです。

しかし、思うように植林が育たず、草が生えているだけの状態でした。


また、『盛り土をした業者』は現在の所有者にここを売った後、姿を消したようです。

現在はその会社そのものが行方不明となっているとか、、、、、


この辺りはいくつかの記事を読んだだけなので、正確な時系列などはよく分かりませんでした。

また、『市の対応』も実際はどの程度だったのか?というのもハッキリしません。


しかし、そうであっても『5万立米』以上の『産廃物』が運び込まれたのですから、近所の方は勿論、『市に苦情』を言ったようですし、『市』も『盛り土』そのものを確認していなかったとは到底思えませんよね。

その辺りもハッキリとして欲しいものです。


それにしても、ここまでの規模の『土砂災害』が起こった原因は単に『大雨が降った』というだけではなく、この『盛り土』が引き金となり甚大な被害に繋がった可能性が極めて高いように感じます。

今後の調査でもっとはっきりするとは思いますが『熱海市の対応』なども含めて、その内容と時系列をハッキリして欲しいですね。


個人的には現段階ですでに『産廃を集めて金にし』その『産廃で盛り土をして宅地造成』をして、それを売って金にし、『見た目だけはきれいな住宅を建てて売って金にしようとしていた』としか思えません。

ボロイ儲けですよね。


しかし、もし、『住宅の建築』まで進んでいたとしたら、この場所にあった家はほぼ『全滅』していたでしょうね。

それでも『パンフレット』には『夢のマイホーム』などと表現されていたことでしょう。

新しく建てた家ですから、きれいなのは当然ですし、場所的に『眺望』なども良いかもしれませんから、、、、、


日本ではこのように『土木・建築業者』などの『余りにも酷いやり方』が半ば(お役所などの)『公認』で進められてきました。

当然、その背後には『天下り』や『贈収賄』などが行われているのです。


話は変わりますが、これまで何度も書いてきたようにワタクシがまだサラリーマンだった若い頃、先輩や上司に何度も何度も『男なら一国一城の主になれ!!』と言われ続けたものです。

要するに『自分で自宅を建てろ!!』ということです。

しかし、ワタクシの実家は松山市の中心部にあり、それを相続することは当時から決まっていました。

それなのにわざわざ『不便な郊外』に大金をはたいてみすぼらしい『建売住宅』などを買う気には更々なりませんでした。


ついでに書いておきますが、仮に『大金持ち』にでもなったら『広い土地』を買って、実家とは別に家を建てたかもしれません。

ただし、絶対に『木造住宅』は避けます。

そもそも『耐用年数』がコンクリートのビルと違って木造は極端に短いのですから、、、、、


実際に『家を売っている営業マン』に話を聞くと『40坪ほどの木造住宅』を建てるとしたら(家だけで)『5000万円以上は欲しい』そうです。(建売り住宅の大半は800万円程度が多いそうです。)

それくらい立派な家だと『木造』でもかなり長い耐用年数が期待できるのだとか、、、、、

と言っても、勿論、『木造』であろうが『鉄筋』であろうが『定期的なメンテナンス』は絶対に必要なんですけどね。


つまり、『ボロ家』ではなく、本物の『一国一城の主』として自宅を建てようとするのであれば『2~3億円』は必要だということです。

因みに昨今では『サラリーマンの平均生涯収入』は『3億円を切っている』そうですけどね。


テレビなどではあまり言われていないようですが、『空き家問題』は日本にとって非常に大きなマイナスを生みそうです。(というか、既にかなり長くの税金が投入されていますが)

詳細は割愛しますが、『郊外の住宅地』にところどころ『誰も住んでいない家』が増えつつあります。

勿論、どんどん『廃墟化』していっているのですが、持ち主がハッキリとしない場合も多いので『壊すこと』も出来ないそうなんです。


危険ですし、不衛生でもありますよね。

それが『夢のマイホーム』『一国一城』の末路なんです。


『団塊の世代』は現在、70歳過ぎですから、『平均寿命』を参考にすれば、この10年ほどで『どんどん死ぬ』のは確実です。

『20年後』には、多くて『2割』、おそらくは『1割』程度しか存命していないであろう、と予測できます。

そしてその上に『少子化』ですから、『人口減少』は既に避けられませんし、その結果として『住宅需要』も大きく減少するのは確実です。


それでも一部の『人気の場所』に家を建てる人は居るでしょうね。

もし、今後何十年も『人気』が続けば、資産と考えることも可能です。

しかし、実際には『住宅地の多く』が『見捨てられた場所』になるのも確実です。

経年劣化した建物は『マイナス』でしかありませんし、『土地』もそう簡単には売れなくなってきています。


日本は『土地本位制』と言われて久しいですが、それもいよいよ『終焉の時を迎えつつある』ということなんです。


また、『タワーマンション』ですが、これは現状でも『異常な高値で売買されていたりする』そうですが、『20年後』には新しいタワマンでも『修繕』は必須です。

ましてや『既に建っているタワマン』の場合は『20年後』には『大規模修繕』が絶対に必要となります。

色々な契約があるようですが、ただでさえ『お高い(ぼられている)』タワマンですから、『20~30年後の修繕費』など加算されている可能性はあまり高いとは言えないでしょうね。


武蔵小杉だったと思いますが『電源設備が水没してトイレもエレベーターも使えなかったタワマン』がありましたよね。

ここは元々『多摩川が狭くなる地点』なので、『水害の要注意地点』なのです。

だから昔は『住宅』ではなくて『工場や倉庫ばかりだった』そうです。


しかし、『産業の空洞化』に伴い『工場や倉庫などが閉鎖されて広い土地が余ってしまった』のです。

それでも『産業用』として鉄道は割と集中して引かれていたので、都内などへの『交通の便』はいいのだそうです。

そこに極めて短時間で『タワマン』が建設されたのです。


よく『相が悪い土地』という表現をするのですが、雨量の多い日本では主に『水害の発生リスクが高い』あるいは『湿度が高い』という土地をそう呼んでいました。

『昔の地名』などにはその『名残』があるのですが、『地名』自体を変えてしまっているケースも多いので容易には分からないかもしれません。

『武蔵小杉』は『輪状に川に囲まれた土地で、洪水発生地帯』なんだそうです。

そもそも、この辺りは『沼地』だったそうですしね。


しかし、そこに『タワーマンション』と呼ばれる『新しくてきれいな高層マンション』が建てられ、とんでもない高額で販売されたのです。

単に『交通の便が良い』というだけでなく『見晴らしがいい』つまり『下々の者を見下ろせる』という特典があるのです。

ワタクシだったら『4000万円』にしてくれても絶対に買いませんが、その倍以上の価格で売れたのです。

しかも、例の『水害』(うんこまみれになった)があった後の現在でも、何故か人気が上がっているそうなんです。

理由はよく分かりませんが、、、、、


勿論、ワタクシが買うわけではないので『騙されようが、後で後悔しようが』そんなことはどうでも構いません。

しかし、『水害が起こったから』とか『高層ビルが倒壊の危険性が出てきたから』などというような理由で『税金』を投入するのはやめていただきたいものです。

(いずれは確実にそうなりますが、、、、、)


話を戻しますが、今回の『熱海市の土砂災害』は相当胡散臭いですよね。

山の中腹辺りを『産業廃棄物』などで『盛り土』をし、階段状にして『宅地』として売り出そうとしていたのです。

『熱海市』は『行政指導をした』などと言っていますが、結果的には『甚大な被害』を出す原因となりました。

捜索を行うだけでも既に相当額の税金が投入されているのです。

しかし、大本の『産廃業者』(おそらくはゴーストカンパニーでしょうが)は『産廃処理』で儲けて、それで『盛り土』(当然、タダ以下)をして『宅地にして更に儲けようとしていた』のです。


幸か不幸か『住宅が建つ前』に今回の『大雨による土砂災害』が起こったのですが、家が建って人が住んでいた段階だったとしたら、被害は更に大きなものになっていたのは確実です。

『捜索』そして『復興』の為にも巨額な税金が投入されるでしょうが、その際にも『中抜きされる』のも確実です。


現状では『4名の死者』が確認されているそうですが、未だに『所在確認が出来ていない方々』が『64名』もいるそうです。

今後の捜索によりますが、現状では『死者』は更に多くなりそうですよね。


でも、『死者が多ければ多いほどお役人や政治家、業者、そしてマスコミ』は儲かるのです。

流石にそこまで見越してではないでしょうが、そういう『可能性』は大いに予測できていた筈です。

それが『1ゴーストカンパニー』だけでやれたとはとても思えません。


もっとも、その大半の情報は例の如く『闇から闇』で終わるのでしょうけどね。

それと忘れてはならないのは『危険な土地』というのは全国に『何万か所もある』という現実です。

アナタのご自宅は大丈夫ですか?????

『一国一城の主』も大変です。