○東京電力原子力事故の被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律案について与野党協議の経過報告

○谷岡事務局長
・交渉過程で公明党が最も固かった部分は12条2項の扱いで、他の野党が説得して条件付きで下ろすことになった。
・その条件とは、題名や目的について修正案を加えること。
・4条と5条の間に基本計画について具体的に作成していくことの追加条文を盛り込むこと。
・最初から委員長提案にするのではなく、前回派の提案について一度は審議し、議事録に残した上で、委員長提案の動機に切り替えること。

・与野党は合意に達しつつあるが、残る最大の懸案は、12条3項がネガティブリスト条文である場合において、政府との間で調整がついていない。

○環境省 環境保健支援部長
・先日の総会で桜井議員からご指摘のあった部分について、政府提案の法案ではカバーできない領域があるが、支援が必要な方に支援の手が届く枠組みかつ被ばくとの関係で公平性があることをもう少し丁寧に説明をさせて頂きたい。
・ポジティブリストかネガティブリストかの議論については、これまでの参考になる施策、被ばく者援護法等からは、どちらかと言えばポジティブリストの方が良いのかなと検討している。援護法の医療費自己負担分の給付についてはガイドライン風に示し、現場のお医者さんが判断する仕組み。
・今日はポジティブリストの案はお示しできないが、支援の必要な方には支援の手が届くように、チェルノブイリ、広島、長崎等を総合的に勘案しながら対象となる疾病群の基準・規定を設ける。

(質疑・意見交換)
・交渉の順番が違う。政府・与党一体である以上、政府が飲める案をまずはPT・部会で了解し、固まった案を政調で民主党案として承認してから次に野党との交渉に入るのが基本的なルール。
 その上で提案だが、原則的に救済されるべきは救済する。費用は、税金又は東電に求償するとしても電気料金に負荷されれば結局は国民負担であり、最小化することが望まれる。その上での要件は、1・今回の震災後にストレス、心因性を含む、新たに症状が出た人。その際、急性被ばく、低線量長期被ばくをいかに回避していくのか。2.生活様式の変化で症状が悪化したものを基本とし、後は現場の医者の裁量とする。(桜井議員)

・労災認定もポジティブリストにしながら、審議会が判断するという方式。
 現実にはリストに該当したものだけが労災認定され、例外は過去に10件程しかない。過去の経過も踏まえて判断をとらねば。
⇒原因、疾病、給付と三つの要素があり、それぞれの制度は似ているようで違う。起因性、疾病の程度、給付の内容を見比べながら、一定程度国民の皆さんの公平感を考慮して制度設計を検討していく必要がある。